群馬県防災航空隊のJA200G墜落事故、機長の空間識失調が要因に

群馬県防災航空隊のJA200G墜落事故、機長の空間識失調が要因に

ニュース画像 1枚目:JA200G、墜落前フォーストリム、モードセレクタの操作
© 運輸安全委員会
JA200G、墜落前フォーストリム、モードセレクタの操作

運輸安全委員会は2020年2月27日(木)、2018年に群馬県の草津白根山で発生した群馬県防災航空隊ベル412ヘリコプターの墜落事故について、調査報告書を公表しました。

この事案は2018年8月10日(金)、群馬県境稜線トレイルで救助活動に備えた危険箇所の調査と確認のため、群馬県前橋市下阿内町の群馬ヘリポートから離陸した機体番号(レジ)「JA200G」が、群馬県吾妻郡中之条町横手山の北東約2キロメートル付近の山の斜面に衝突したものです。「JA200G」は大破し、搭乗していた機長や確認整備士など9名は全員が死亡しました。

報告書によると、「JA200G」が登山道の調査で山岳地域を飛行中、雲の多い空域に進入し、視界が悪化して地表を視認できなくなり、機長が空間識失調に陥り、適切な操縦ができなくなったため、山の斜面に衝突したとみています。地表を視認ができなくなった要因は、有視界気象状態の維持が困難な中、引き返しの判断が遅れ、飛行を継続したとこととみています。

この事故を受け運輸安全委員会は2020年2月27日(木)、捜索救難活動を実施するパイロットに空間識失調の危険性について注意喚起し、空間識失調に陥らないための予防策と、離脱するための対処策を周知するよう、国土交通大臣に勧告しています。

「JA200G」は、1996年に群馬県防災航空隊に導入され、20年以上に渡り「はるな」の愛称で群馬ヘリポートを拠点に運用されていました。

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