運輸安全委員会、エクセル航空の沖縄での不時着水事案 被害軽減で勧告

運輸安全委員会、エクセル航空の沖縄での不時着水事案 被害軽減で勧告

ニュース画像 1枚目:着水までの経緯
© 運輸安全委員会
着水までの経緯

運輸安全委員会は2020年2月27日(木)、エクセル航空の運航する沖縄での不時着水による機体損傷について、調査報告書を公表しました。

この事案は2018年6月7日(木)、エクセル航空のAS350B3、機体番号(レジ)「JA350D」が、那覇空港から粟国空港に向けて飛行中、那覇空港の北西4キロメートル付近の海上に不時着水し、緊急着水する際に使用する緊急フロートと機体を損傷し、海中に水没したものです。

報告書によると、「JA350D」は飛行中、メインローターの回転数が低下し、飛行高度の維持が困難となり、過大な速度と降下率で海上に不時着水、機体が損傷して水没したとみています。メインローターの回転数低下は、エンジン系統に不具合が発生した可能性があるとみているものの、その発生箇所と原因を特定できませんでした。

事故機の機長は、救命胴衣を装着できず、海上に浮遊していた緊急フロートにつかまり、救助を待ちました。墜落から13分後に那覇救難隊のUH-60Jに発見され、救助されています。この状況下では、緊急フロートを有効に機能させ、安定した着水は困難で、搭乗者が救命胴衣を着用して脱出する時間が十分ではないと、運輸安全委員会は事態を重くみています。

これを踏まえ、航空事故防止と航空事故の発生による被害軽減のため、運航者は陸岸からオートローテーション距離を越えるヘリコプターの運航にあたり、搭乗者全員の救命胴衣着用を検討するよう、運輸安全委員会が国土交通大臣に対して勧告しています。

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