防衛省は2020年5月22日(金)の河野防衛大臣の記者会見で、航空自衛隊三沢基地に配備しているF-35AライトニングⅡに墜落を自動的に回避する「自動地面衝突回避システム(Auto GCAS:Automatic Ground Collision Avoidance System)」と搭載したと公表しました。これは2019年4月9日(火)、三沢基地第302飛行隊のF-35Aが青森県沖で墜落し、パイロット1名が死亡した事故を踏まえた措置です。
三沢基地には現在、17機のF-35Aを配備しています。Auto GCASは機体のソフトウエアをアップデートするもので2019年末から順次搭載しています。三沢基地には2020年度中にさらに4機配備される見込みですが、いずれの機体もAuto GCASを搭載した状態で配備されます。
Auto GCASは地上衝突の可能性を判断するため、機体や地形データ、その他のさまざまなモニタに表示する各種センサーを使用します。軌道、速度、パイロットの操作や入力がない場合など、システムは安全な航空機の状態に回復するための最良の方法を計算、制御します。
開発はアメリカ空軍とロッキード・マーチン社などが行いました。エドワーズ空軍基地(AFB)は2018年11月から、第461飛行試験飛行隊(461FTS)のF-35AでAuto GCASの試験飛行が開始され、これまでにF-16とF-22に搭載された開発の経験が活かされています。