川崎重工とエアバス・ヘリコプターズが国際共同開発を進めるBK117ヘリコプターシリーズの最新型「H145 / BK117 D-3」が、ヨーロッパ航空安全庁(EASA)から型式証明を取得しました。国土交通省航空局の型式証明は2020年秋に取得予定で、D-3国産初号機の引き渡しは2021年春の予定です。
H145/BK117 D-3は、メインローターを4枚から5枚ブレードに変更し、飛行中の振動が低減し、客室内の快適性が向上しています。ベアリングレス構造のメインローター・システムを採用し、部品点数と点検項目が削減し、メンテナンスが容易になり、整備期間をおよそ50%短縮しました。さらに、最大離陸重量が150キログラム増加しています。
BK117ヘリコプターは、救急医療、消防・防災、警察、報道、人員輸送、物資輸送などの任務に使用されている中型双発機です。1983年の初号機納入から、機体の改良を重ね、シリーズ通算で川崎重工の納入分が2020年7月6日現在で179機、エアバス・ヘリコプターズの納入分を合わせ世界で1,600機超が納入されています。
D-3は販売開始後、国内外から順調に受注を重ね、EASAの型式証明取得を契機にさらに受注獲得を進めます。なお、H145のアメリカ連邦航空局(FAA)による認定は2020年後半を予定し、ミリタリーバージョンの認定は2021年を予定しています。
■H145 / BK117 D-3主要諸元 全長 13.54m 全幅 1.73m (胴体) 全高 3.98m 定員 10名(標準)、最大12名 最大全備重量 3,800kg 最大速度 約267km/h 航続距離 740km (標準タンク)