次期戦闘機F-X開発、着々と 海外企業から情報募集

次期戦闘機F-X開発、着々と 海外企業から情報募集

ニュース画像 1枚目:次期戦闘機開発に向け技術実証機として開発されたX-2 (なごやんさん撮影)
© FlyTeam なごやんさん
次期戦闘機開発に向け技術実証機として開発されたX-2 (なごやんさん撮影)

防衛省は、F-2戦闘機の退役を見据え、後継の次期戦闘機(F-X)開発に着手しています。すでに2020年7月末に日本主導で開発し、国内企業に戦闘機全体のインテグレーションを担当させる方針を示しています。さらに8月には、外国企業を対象に国内企業を支援する情報の収集を開始しました。

F-2開発ではアメリカ側の情報非開示により、改修が困難であることを踏まえ、F-X開発は日本が主体的に手がけます。この開発の主力は機体担当企業が担い、エンジン担当企業、ミッション・アビオニクス担当企業を下請けと位置づけ、主導的な立場で開発を進めるシングル・プライム体制を採用しています。一方で、戦闘機の単独開発には最新の技術動向を反映するため国際協力も不可欠で、外国企業からの支援も受け入れる仕組みとしています。

今回の外国企業の情報提供の募集では、(1)ステルス性を有する無人機を含む固定翼航空機を設計する技術、(2)レーダー、赤外線センサー、電子戦器材、データリンク装置を含む航空機搭載ミッション・システムのインテグレーション技術について高い技術を備えていることが求められています。実運用環境でないものでも、装備品を運用する状態の模擬運用環境で技術を確認したことが求められています。

これまでステルス性、電子戦機器でロッキード・マーチン、ボーイング、ノースロップ・グラマン、BAEシステムズ、レオナルドなどが実績を積んでおり、F-X開発でもこれらの外国企業が取り沙汰されています。

このF-X開発では、三菱重工が「心神」と呼ばれた先進技術実証機X-2でステルス性能を搭載、IHIが推力15トン級ジェットエンジンのプロトタイプエンジンXF9-1開発を手がけ、F-2開発時より技術的には国内企業が力を蓄えています。一方、実戦を含め技術を高めてきた外国企業の能力と比べた場合には見劣りもする中、着々と手続きが進められているF-X開発の動向は高く注目されそうです。

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