宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、日本政策投資銀行(DBJ)の協力のもと公募した「JAXA航空イノベーションチャレンジ 2020 powered by DBJ」の採択案件を発表しました。第3回目の今回は、2020年6月10日(水)から7月17日(金)まで、アイディアを募集していました。
このイノベーションチャレンジは、世界の航空輸送や航空機利用、航空技術のイノベーションにつながる新たな技術やアイディアを募集し、その実現を目指しています。JAXAとDBJは、製品・サービスのコンセプトづくりや事業計画検討など、事業化に向けたサポートを行います。
案件には、ドローン・アーキテクチャ研究所のエアロネクストの「マルチコプターにおける重心位置の変化が機体特性に与える影響の調査」や、川崎重工業の「航空機の運用環境を追跡した腐食リスク診断システムの検討」など、18件が採択されています。今後は、フィジビリティスタディ(実行可能性調査)が実施できるよう、契約に向けた調整が行われます。
■JAXA航空イノベーションチャレンジ 2020 powered by DBJ採択案件 ・WINGGATE:「海洋ゴミ回収を目指した 無人移動体の連携オペレーティング システムの構築」 ・FaroStar:「大規模災害時における非管制 区域を飛行する無人機と回転翼航空機 の安全性を高める新しい管制技術」 ・多摩川精機:「一般産業用モータ・セン サの航空規格適合化の研究」 ・東京都立大学:「三次元の微視的変形・ 損傷挙動に基づいた CFRP 構造における 強度予測技術の開発」 ・ソニック:「パラメトリック音源を利用 した無人飛行機(UAV)ヘリポート向けの 上空風監視センサー(次世代型SOLWIN) のフィジビリティスタディ」 ・矢崎総業:「航空機設計技術向上に寄与 する機体周りの気流推定技術の実現性 検討」 ・熊本大学:「AI による雪氷の摩擦予測 〜航空機・陸上交通への応用は可能か?」 ・エアロネクスト:マルチコプターにおける 重心位置の変化が機体特性に与える影響 の調査 ・川崎重工業:「自動車用部品、産業機械用 部品、汎用機器用部品を活用した 低コスト航空機システム・インテグ レーション技術」 ・東京アールアンドデー:「自動車の環境 対策技術を応用した小型電動航空機用 エネルギマネージメント技術」 ・東京理科大学:「試作レスものづくりを加 速させるエンジニアリングツイン技術の構築」 ・川崎重工業:「航空機の運用環境を追跡し た腐食リスク診断システムの検討」 ・日本積層造形:「金属3Dプリンター(金属 積層による高機能ヒートシンクの開発」 ・東レ・カーボンマジック:CFRPと金属 AMコア材による機体軽量化構造を活用 した表面冷却技術 ・公立諏訪東京理科大学:「航空機電動化を 指向した電池管理システムの高度化」 ・東芝:「重希土類フリー高磁力・高耐熱 サマリウムコバルト磁石の電動航空機 向け永久磁石モータへの適用可能性検討」 ※18件中、2件は非公開