アシアナ航空、A350旅客機を貨物輸送用に改修 世界初

アシアナ航空、A350旅客機を貨物輸送用に改修 世界初

ニュース画像 1枚目:貨物輸送仕様に変更されたA350客室
© AIRBUS
貨物輸送仕様に変更されたA350客室

アシアナ航空は2020年9月、世界で初めてA350旅客機の客室を貨物輸送用に改修しました。改修はエアバスが開発したソリューションを採用し、航空会社向けの整備技術情報通報(サービス・ブリテン:SB)としても公開されています。エアバス、ヨーロッパ航空安全庁(EASA)、アシアナ航空の3者連携で、開発されました。

貨物輸送用に改修されたA350は9月最終週にソウル発ロサンゼルス行きに投入され、IT・電子機器、衣料品などeコマースの輸出品を搭載しました。10月から、ソウル/ホーチミン線など需要の高い路線にも投入される予定です。

この貨物輸送用に旅客機を改修するプロジェクトは、エコノミーシート283席を取り外し、床をカーゴパレットに交換、荷物を床に固定する機器を装着しました。この改修作業は、2週間に渡りました。改修でA350の貨物搭載容量は5トン増え、計23トンになりました。

EASAはコロナ禍の初期段階では、医療・緊急貨物輸送について、航空会社に適用除外のガイドラインを発行しました。その後、エアバスはEASAと協力し、旅客機の貨物輸送用の改修・改造についてSBを策定しています。

A350に適用されたSBは、シートへの貨物搭載と比べ、積み下ろし作業が速く、かつ容易で、シートの消耗を抑え、防火対策を講じることで安全性が向上します。シートと機内エンターテイメントを取り外し、貨物パレットと関連する安全装置の設置、そして旅客機に戻して運航する際の客室再設置の手順も含まれています。このSBは、コロナ・パンデミック以降も有効の対策です。

この記事に関連するニュース
メニューを開く