航空自衛隊、入間基地にRC-2配備

航空自衛隊、入間基地にRC-2配備

ニュース画像 1枚目:RC-2、機体各所のフェアリング内にアンテナを収納 (グリスさん撮影)
© FlyTeam グリスさん
RC-2、機体各所のフェアリング内にアンテナを収納 (グリスさん撮影)

航空自衛隊は2020年10月1日(木)、入間基地にRC-2電波情報収集機を配備し、記念式典を開催しました。陸・海・空の従来領域にとどまらず、宇宙・サイバー・電磁波と新たな領域を組み合わせた戦闘・防衛が技術進展とともに重視され、RC-2は電磁波領域での優勢を保つため、不可欠な装備と位置付けられています。

RC-2電波情報収集機は、2017(平成29年)年度予算から3機の取得経費が計上されていました。今回、入間基地に配備された「18-1202」は、C-2開発の2号機として試験飛行を重ねた機体で、2011年1月に初飛行しました。その後、C-2開発プログラムでの飛行後、FlyTeamメンバーの投稿から確認できるところは2016年前半ごろ機体改良に着手、2018年2月に電波情報収集機として各種アンテナが搭載されました。入間基地への初展開は、2018年6月26日(火)でした。

入間基地への展開では、搭載された機上電波測定装置の飛行試験を含む試験評価が進められていました。入間基地への配備は2019年度に計画されていましたが今回、ついに正式配備となりました。今後、2021年度、2022年度にそれぞれ1機ずつ、計3機のRC-2が入間基地に配備されます。電波測定装置の搭載機改修作業は川崎重工が担い、搭載する電子機器は東芝、データ・リンクは日本電気とみられます。

配備されたRC-2は、現在のYS-11をベースとしたYS-11EBの更新機です。YS-11EBは1992年に運用を開始し、28年近く活動しています。ただし、周辺国の環境変化や、防衛装備の高度化に迫られ、C-2ベースの機体開発が進められていました。

RC-2としての飛行性能は開発時に航続距離が5,700キロメートル(km)とされ、C-2の航続距離6,500kmに及ばないものの、電波情報の収集(ELINT/ SIGINT)任務で長時間飛行に十分な対応性能を備えています。航続距離は、YS-11EBの約2,200km、さらに海上自衛隊が運用するEP-3電子情報収集機の4,400kmと比べ大きな向上を遂げ、任務の行動範囲が広まります。

C-2とRC-2の外観は、特に電波情報を収集するためのフェアリング、いわゆるアンテナドームが機体各所に施されている部分に違いがあります。機首をはじめ、主翼付け根部分の前後の上部、機体後方の胴体左右と上部、尾翼上部、そしてテールとあらゆる方向から電波を捉えられる装備が隠されています。機内には、受信した電波を記録、分析する機器を搭載し、隊員たちが任務にあたる設備が搭載されています。

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