キャセイ・グループ、生き残りで再編 人員削減で需要減の長期化に対応

キャセイ・グループ、生き残りで再編 人員削減で需要減の長期化に対応

ニュース画像 1枚目:キャセイパシフィック航空
© Cathay Pacific
キャセイパシフィック航空

キャセイパシフィック航空グループは2020年10月21日(水)、新型コロナウイルスによる需要減少への対応策として、グループ内の再編を実施すると発表しました。大きな柱は、キャセイドラゴンの運航停止、人員削減と、これによる供給量の削減です。運航路線を集中し、効率的、かつ競争力のある体制を創造します。旅客便の運航会社は、3社体制からキャセイパシフィック航空と格安航空会社(LCC)の香港エクスプレスの2社とします。

人員削減では、グループ全体の従業員数を香港で約5,300人、海外拠点で約600人削減する方針です。香港を拠点にする客室乗務員と運航乗務員は、報酬体系を変更し、勤務条件の変更を実施します。役員給与についても2021年まで削減を継続し、運航に関連しない社員は2021年前半に、特別休暇制度を導入し、人件費を全体的に抑制します。キャセイパシフィック航空は、可能な限り多くの雇用を守り、香港の航空ハブを守るための施策と説明しています。

キャセイパシフィック航空は現在、運航規模を縮小、新機材の受領を延期し、必要経費以外の支出停止、採用凍結、役員給与の削減、特別休暇制度の導入を実施しているものの、毎月15億から20億香港ドル、日本円で204億円から272億円の現金が流出する状態です。人員削減により、月5億香港ドル、約68億円程度の現金流出を減らすことができる想定です。

旅客の戻りは2021年は鈍く、ネットワークの規模は2021年は2019年の半分程度としています。需要回復は、2021年前半は2019年の旅客数の25%を下回り、通年で50%以下と予想しています。こうした厳しい需要の見通しもあり、キャセイドラゴンの即時運休を決定し、香港の航空ハブとして長期的な生き残りへの体制作りに踏み切っています。

為替換算 1香港ドル = 13.61円
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