カンタス航空、世界初の貨物専用機A321 P2F 運航開始

カンタス航空、世界初の貨物専用機A321 P2F 運航開始

ニュース画像 1枚目:オーストラリアポスト向けにカンタスが運航するA321P2F
© Pratt & Whitney
オーストラリアポスト向けにカンタスが運航するA321P2F

ヴァル・エアは2020年10月27日(火)、エアバスA321型機をベースに旅客機から貨物機へ改修したA321 P2Fをカンタス航空に引き渡したと発表しました。カンタス航空が保有、オーストラリアポストとの契約に基づき運航、運航はエクスプレス・フレイターズです。この機材がA321 P2Fが10月27日(火)、運航を開始しました。 この機体は製造番号(msn)「835」、機体記号(レジ)「VH-ULD」で登録されています。

このA321 P2Fは、シンガポールのSTエンジニアリング施設でエルベ・フルクツォイヴェルケ(EFW)が改修を手がけました。旅客機から貨物機への改修は、コロナ禍で旅客機を貨物機に変更するクイック・コンバージョン(QC)と異なり、メインデッキでは床面の補強や客室部分の撤去と貨物仕様への変更、さらに主脚部分の強化など物理的な作業だけでも時間のかかる改修です。

客室部分を改修したメインデッキには14個、その下に位置するロワーデッキには10個、計24個のコンテナを搭載できます。およそ28トン超を搭載し、航続距離は4,260キロメートルほどで、国内やリージョナル輸送、特に速達性の求められる貨物輸送に適した機材です。大型のメインカーゴドアが取り付けられ、乗員と貨物の間を保護する剛性のある仕切り備え、フライトデッキ改修も加えられています。

改修を手がけたSTエンジニアリングとEFWは、2023年までに中国、ドイツ、アメリカに改造拠点を設立し、世界で改修に対応できる能力を年約25機まで拡大する計画です。

また、初号機をリースしたヴァル・エアは先ごろ、スマートリンクス・マルタとA321-200をベースにP2Fを2機リース契約したほか、マイアミ拠点の新規航空会社のグローバルエックスと2023年春までにA321Fを10機納入する契約も締結しています。

貨物機は今後10年間、約1,500機のナローボディ機が必要と予想されています。 このうち1,000機は既存の旧型機の更新、500機はeコマース拡大へ対応する需要と見込まれています。

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