新明和XU-S、佐渡空港での電波伝搬特性試験で飛行

新明和XU-S、佐渡空港での電波伝搬特性試験で飛行

ニュース画像 1枚目:試験飛行中の固定翼型無人航空機 XU-S
© 新明和工業
試験飛行中の固定翼型無人航空機 XU-S

佐渡空港で2020年10月、新明和工業が開発した固定翼型無人航空機XU-S(Experimental Unmanned / Utility aircraft by ShinMaywa)を使用した、電波伝搬特性試験が実施されました。この試験は、長岡技術科学大学が実施する総務省の委託研究(SCOPE)の一環です。

試験は、固定翼型無人航空機を利用し、169MHz帯域の電波が2.4GHz帯域と比べ優位性があることを確認する試験で、電波伝搬特性の解析、中継局ハンドオーバーによる通信エリアの広域化を検証しました。

中継局ハンドオーバーは、無人機へのコマンド送信とテレメトリ受信を可能とする技術で、途中の障害物、距離による電波減衰がある状況でも通信を維持させる技術です。ドローンの多くは、電子レンジ、Wi-Fiと同じ周波数2.4GHz帯が用いられ、この周波数は建物などの障害物で遮られやすく、Wi-Fiと干渉する可能性がゼロではないなどの問題点を解決することが期待されています。

佐渡空港での試験では、空港敷地内での周回飛行を経て、加茂湖上空を含めた長距離を周回飛行しました。離陸後、自律飛行機能で加茂湖上空の高度30メートル(m)から140mの間を上昇、降下しながら周回飛行し、佐渡空港に着陸するミッションを複数回、実施しました。

新明和工業は、新潟県での試験に続き、兵庫県が主催する「令和2年度 ドローン先行的利活用事業」での試験も予定しています。XU-Sは環境に配慮し、排気ガスを生じないリチウムイオンポリマー(LiPo)電池を動力源とし、長時間滞空能力が優れ、観測・監視・通信などの幅広い分野での応用を目指しています。

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