ICAO、搭乗前検査とデジタル・ヘルス・パスの採用を政府に提言

ICAO、搭乗前検査とデジタル・ヘルス・パスの採用を政府に提言

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© ICAO
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国際民間航空機関(ICAO)は2020年11月10日(火)、航空復興タスクフォース(CART)の最新版「テイクオフ」ガイドラインを発表しました。搭乗者の新型コロナウイルス検査のガイドライン作成と、デジタル・ヘルス・パス技術の採用を政府に促し、世界の航空業界の回復をめざします。

現在、各国政府が課している渡航・入国制限は世界の旅行需要に大きな影響を与えています。6月に発表された初版の「テイクオフ」ガイドラインでは、新型コロナウイルス迅速検査は、リアルタイムで信頼性の高い検査が利用可能にならない限り推奨しないと記載されていました。しかし、それ以来、検査技術は急速に向上し、検査の効果的な活用で、旅行や入国者の移動を制限する自主隔離などへの依存を減らすことができると認識されはじめています。ICAOは隔離措置ではなく、搭乗前のコロナ検査を推進しています。

また、「コモンパス」などを含む、デジタル・ヘルス・パスの導入を提言しています。現在、入国時に求められるコロナ検査結果証明書は紙ベースで、偽造の可能性があるほか、国によって異なる書式が求められるなど様々な課題が指摘されています。デジタル・ヘルス・パスは、世界共通のPCR検査結果・ワクチン接種を証明できる電子証明書としてまとめ、一貫性ある健康データを提示でき、偽造防止や検査結果が信頼できる医療機関の発行か、検査結果が入国基準を満たしているかなど、簡単に判断できるようになります。

日本でも、日本航空(JAL)と全日空(ANA)がデジタル証明書「コモンパス」を普及させるプロジェクトに加わり、ANAは年内にも東京/ニューヨーク間のフライトで実証実験を行う方針です。コモンパスは、パスポート情報やPCR検査情報、健康状態、渡航先での行動計画などをスマートフォンのアプリに入力する仕組みで、空港でアプリを読み取り機にかざし、入国条件に合致しているかシステムが判定します。これにより、渡航手続きが現在よりスムーズに行えるようになります。

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