海事・水産・交通・気象の専門書籍を出版する成山堂書店は2020年も、航空関連の書籍を刊行・改訂、販売しています。3月には唯野邦男さんが手がけた「航空機と空港の役割 -航空機の発展とともに進歩する空港-」、6月には交通ブックスシリーズで杉江弘さんによる「飛行機ダイヤのしくみ(改訂版)」を刊行しました。
「航空機と空港の役割」は国内各地の空港で技術士として活躍、関西国際空港での計画部長・施設管理部長、成田国際空港長などを歴任した唯野さんが航空機と空港施設の歴史、航空機の性能・形状と空港施設との関係性、様々な角度からの安全面、近未来の航空機と空港などを解説しています。
航空機が離着陸するための飛行場が機能や規模を向上・拡大し、やがて巨大な空港、さらには都市機能を備えるような施設に変貌したことを、12の空港物語としても紹介しています。
「飛行機ダイヤのしくみ(改訂版)」は、元日本航空(JAL)機長で現在は航空評論家として活躍する杉江さんが、空港内の出発時刻表示板を起点に、飛行機ダイヤについてまとめた書籍です。飛行機と鉄道のダイヤ編成の違い、飛行時間に影響を与える要因、国内線と国際線のダイヤの違いなど、運航現場での経験を踏まえてまとめられています。
改訂版ではダイヤ作成の部分が追加されたほか、羽田空港の都心を通過する新ルートなどについて最新の情報が加えられています。さらに、新設された7章では「エアラインランキング」の指標とされる定時出発率と定時到着率の真相、コラムで超音速機の復活計画について新たに書き下ろしされています。
成山堂書店ではこのほか、交通ブックスで「航空無線と安全運航」も刊行しています。コロナ禍で飛行機に搭乗する機会が減っている人が多いものの、どのように飛行機が飛んでいるか、これらの書籍で理解を深める機会にしても良いかもしれません。