国土交通省は2020年12月6日(日)、緊急点検を指示したプラット・アンド・ホイットニー社製のPW4000エンジン搭載機について、国内の航空会社に現在、問題ないことが確認されたと発表しました。日本航空(JAL)が12月4日(金)に運航したJAL904便、ボーイング777-200型機で機体左側のエンジンのファンブレードが破損し、エンジンが損傷したことを受けて緊急点検を指示していたものです。
JAL904便は12月4日(金)、離陸後に10分ほど飛行した那覇空港の北約100キロメートルで左エンジンから爆発音があり、火柱が出たと伝えられています。那覇空港に緊急着陸、その後の点検で、左エンジンのファンブレード、エンジン・カウルなどに損傷が確認されています。この事案は、重大インシデントに該当するため、運輸安全委員会が原因調査に着手しています。当該機の機体記号(レジ)「JA8978」には、PW4074エンジンが搭載されています。
国土交通省は12月4日(金)、JALに運輸安全委員会の調査の進捗に関わらず、エンジンメーカーと連携し、想定される原因を考慮した当面の再発防止策の実施を指示しています。また、国内各社にはPW4000エンジンを搭載する機種について、次回の飛行までに当該エンジンのファンブレードについて緊急に詳細目視点検、変形・凹みを確認する触診点検を指示しました。この点検で、各社から問題ないことが確認されたと報告されています。
PW4000エンジンを搭載する航空機は現在、JALが777-200と777-300の13機、ANAが777-200、777-200ER、777-300の24機に搭載しています。日本に乗り入れている海外の航空会社で同系列のエンジンは搭載していません。