世界で初めて超音速飛行を成功させたチャック・イエーガー退役准将が2020年12月7日(月)、ロサンゼルス市内の病院で亡くなりました。享年97歳でした。
航空史に名を残すチャック・イエーガー退役准将は、1941年9月12日(金)に兵士としてアメリカ陸軍に入隊し、後にパイロットの訓練を受け、第2次大戦中には1回のミッションで5機を撃墜するなどしてエースとなりました。戦後、テストパイロットとなり、1947年10月14日(火)、現在のエドワーズ空軍基地でロケット実験機ベルX-1「グラマラス・グレニス」を操縦し、史上初の超音速飛行を成功させました。
宇宙飛行士になるチャンスがあったものの、52歳で退役するまで空軍に残り、実戦部隊の指揮官などを務めました。後年、イエーガー退役准将は講演でその半生を振り返り、「18歳の少年をパイロットに育て、活躍する機会を与えてくれた空軍に感謝している。そして私は大いに楽しんだ」と語っていました。
なお、士官学校も大学も出ていないイエーガーが、エリート集団であるテスト・パイロット、さらに空軍で出世し続けた経歴は異例中の異例です。特に、X-1のテストパイロット時代は1983年公開の映画「ライトスタッフ」で描かれています。このほか、多くドキュメンタリー、映画の題材になり、アメリカでの英雄でもあります。ご冥福をお祈りいたします。