A321XLR、最終組み立てに向けパーツ製造着々と

A321XLR、最終組み立てに向けパーツ製造着々と

ニュース画像 1枚目:中央翼ボックス組み立て作業中の様子
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中央翼ボックス組み立て作業中の様子

エアバスは、A321XLRの最終組み立て作業に向け、各地で準備が進められている状況をレポートしています。エアバス子会社のプレミアムエアロテック(Premium AEROTEC)が2020年6月25日(木)、後部センタータンク用の機械加工部品の製造に着手したと発表されており、2021年後半に初号機の最終組み立て開始、2022年に飛行試験、2023年に市場投入の予定です。

A321XLRの製造は、これまでのA320ファミリーと同じく、エアバスのヨーロッパ各地の工場やティア1サプライヤーなどを中心に世界各地で進められています。機首と前方胴体は、ステリア・エアロスペースが部品を生産しており、完成後はサンナゼールに輸送され、機首と前方胴体の主要部品の組み立てが始まります。

また、主翼はイギリス・ブロートンで製造されています。この部品は、A321neoと同じ離陸性能とエンジン推力要件を確保するため、A321XLR専用に新たな主翼後縁フラップが用意されており、マレーシアとオーストリアで製造された部品を統合します。さらに、主翼を構成するスパーやストリンガーは従来の部品を使用しますが、これらの製造も進んでいます。着陸装置はサフラン、コリンズなど、エンジンパイロンはトゥールーズのエアバス工場でそれぞれ生産中です。

A321XLRの最大の特徴は、長距離飛行を可能にするため、後部センタータンクを設けることです。機体下部の容積を最大限に利用する、常設の大容量燃料タンクです。このため、胴体の中央部から後部にかけてこれまでのA320ファミリーと異なる新たな一体型の燃料タンクと、関連する燃料管理システムを設置します。

この中央・後部胴体の生産工程のうち、2020年11月中旬にフランス・ナントで中央翼ボックスが組み立てが開始されています。2021年にはハンブルク工場に運びこまれ、胴体の後部主要部品に統合される予定です。また、ドイツ・アウクスブルクでは後部センタータンクの最終部品の完成をめざし、作業用の工具や作業場の準備が進んでいます。

ハンブルク工場でも、A321XLR専用の生産ラインに必要な治具や金型の準備が進められています。ハンブルク工場はA320ファミリー製造の一大拠点ですが、A321XLRの最終組み立ては他のA320ファミリーの製造ラインと切り離されています。これにより、A321XLR専用で最終組み立てができるようになっています。ラインを切り分けることで、A321XLRが他のA320ファミリーと異なる構造の機種であることに配慮し、他のA320ファミリー製造に影響を及ぼすことなく、量産に向けて準備が進められています。

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