NTSB、TWA800便墜落事故の復元部分を解体へ

NTSB、TWA800便墜落事故の復元部分を解体へ

ニュース画像 1枚目:TWA800便墜落事故機の復元
© NTSB
TWA800便墜落事故機の復元

アメリカ運輸安全委員会(NTSB)は2021年2月22日(月)、トランスワールド航空TWA800便墜落事故の調査過程で復元した機体を解体すると発表しました。この墜落事故は1996年7月17日(水)、ボーイング747-100型機の機体記号(レジ)「N93119」で発生し、乗員18名、乗客212名、計230名全員が死亡しました。

NTSBはTWA800便の破片を事故調査のため再構築し、現在はヴァージニア州アッシュバーンのトレーニングセンターに設置しています。予定では、2021年7月7日(水)に復元機の使用を終了します。その後、3Dスキャン技術を用い数カ月かけて記録し、スキャンしたデータは今後の検証目的のためにアーカイブされる予定です。NTSBは復元機を訓練のための資料として使用し、展示や一般公開は行わないことを条件としており、施設のリース期間満了にあわせ、今回解体が決定しました。

事故調査を終え、「N93119」の復元部分はおよそ20年間にわたり、NTSBは事故調査の技術向上のため、訓練コースで使用されてきました。2015年から2019年まで、NTSBの調査官、スタッフ、輸送の安全などに携わる外部の関係者を含め、平均で年2,622人がこの復元機で訓練コースを受講していました。しかし、現在は3Dスキャン、ドローン画像など調査技術が進歩し、こうした新たな調査技術を習得する際に事故機の復元の必要性が低くなっていると説明しています。

TWA800便の墜落事故は、NTSBがおよそ4年に渡る調査により、中央翼の燃料タンクの爆発であるとの結論を得ています。NTSBは墜落の原因として、電気系統が故障し、そこで発生した火花が燃料タンクの気化ガスに引火したと説明しています。

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