FAA、PW4000エンジンの検査間隔の短縮も視野

FAA、PW4000エンジンの検査間隔の短縮も視野

ニュース画像 1枚目:プラット・アンド・ホイットニー 工場イメージ
© Pratt & Whitney
プラット・アンド・ホイットニー 工場イメージ

アメリカ連邦航空局(FAA)は2021年2月23日(火)、プラット・アンド・ホイットニー(P&W)製PW4000エンジンについて緊急耐空性指令(AD)を発行しました。FAAは今回の検査結果を元に、検査間隔の変更もありうると説明しています。

ADはPW4000エンジンの特定のシリーズを対象としています。FAAはアメリカの航空会社に2月21日(日)、PW4000エンジンを搭載するボーイング777型機について、緊急点検を指示しました。今回のAD発行で、アメリカ以外の民間航空機を管轄する機関とも連携します。

ユナイテッド航空が運航するUA328便で発生したボーイング777型機のエンジン事故を受け、アメリカ運輸安全委員会(NTSB)は初期段階の調査状況を2月21日(日)に公表。この検査でファンブレードが2枚折れ、そのうち1枚は根元付近から折れていたことが明らかになっています。NTSBはすでにボイスレコーダーとフライトデータレコーダーを回収し解析を始め、乗客が撮影した写真、ビデオも調査資料として解析しています。

この調査状況を受け、FAAは大型のチタン製ファンブレードの熱音響画像(TAI)検査の実施を求めています。これにより、目視検査では確認できない亀裂を検出し、安全性を確保する狙いです。

FAAが点検を求めたPW4000エンジンはPW4074、PW4074D、PW4077、PW4077D、PW4084D、PW4090、PW4090-3のPW4000-112シリーズのエンジンです。PW4090DとPW4098は対象外です。

ボーイングは、PW4000-112エンジンを搭載した777シリーズは69機が運航中、59機が保管中と明らかにしています。この世界で128機の対象機のうち、日本ではJALが13機、ANAが19機、計32機を保有しています。このエンジンの検査間隔は6,500フライトサイクルでした。フライトサイクルは1回の離着陸を表し、6,500回の離着陸で検査を実施することが求められていました。

P&Wは対象機のエンジンについて、TAI検査の実施で協力する方針を示しています。大型のチタン製ファンブレードは、PW4000-112エンジンに特有のものとP&Wでは説明しており、FAA認証の検査施設で対応する方針です。FAAは今回の検査結果を元に、検査間隔の変更もありうると説明しています。

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