大韓航空、アシアナ航空の統合は2年後見込み LCCは1ブランドに

大韓航空、アシアナ航空の統合は2年後見込み LCCは1ブランドに

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大韓航空は2021年3月31日(水)、アシアナ航空の統合について2年間は別ブランドで運航し、大韓航空を存続ブランドとして完全統合に向けた準備を進めていると発表しました。両グループの傘下で運航する格安航空会社(LCC)はジンエアーに一本化する検討も進められています。

大韓航空によるアシアナ航空の買収・統合は、企業会計や組織の統合などに加え、航空事業では安全運航システムの整備、予約などを含むITシステムの統合、マイレージ・プログラムの統合、アライアンス問題など多岐に渡る分野を整える必要があります。このため、大韓航空はアシアナ航空を子会社とする準備におよそ2年は必要とみています。統合後は、シナジー効果を最大限に発揮するため、将来的には大韓航空に統合した統一ブランドとします。

当面の2年間は、別ブランドで運航しつつ、コードシェアなどの協力が可能な場合には実施する考えです。ただし、この2年間は大きな相乗効果は期待できないとしています。統合後は、両社の保有機のおよそ10%が削減でき、この余剰機材を新路線、既存路線の増便などに使用したい考えです。

機材更新では、両社の同機種でも搭載エンジンが異なるなど、整備面でシンプルにする必要性があるとの認識ですが、相当程度の時間が必要です。このため、アシアナ航空が保有するリース機材を中心に退役をさせ、新機材の導入とあわせ長期間にわたり保有機材の統一化を進めます。

統合後は、旅客事業でソウル・仁川国際空港をハブ空港とするネットワークの構築が進み、貨物ネットワークも効率的に再構成することで競争力の高いアジアの物流ハブに成長・発展できるとの見通し。旅客では重複する就航地を整理し、新たな就航地を増やし、スケジュールを多様化することで、利用者の選択肢は増えます。マイレージの統合でマイル獲得・使用でも顧客の満足度が向上すると見込んでいます。

LCCも現在は、ジンエアー、エアプサン、エアソウルの3社があり、これを統合して1つの会社にする案を検討しています。統合したLCCは、大韓航空の傘下に置く案、現在のジンエアーと同じく韓進グループ傘下で大韓航空と同列に置く2つの案が検討されています。この組織体系は、資金や競争法の条件などを考慮して決定する方針です。

新たな統合LCCブランドは、ハブ空港を仁川と釜山の2地点とし、北東アジアや東南アジア路線の拡充、成長を目指します。この統合LCCは韓国だけではなく、アジア地域トップレベルのLCC会社の地位確立を目指す計画です。

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