カンタス航空グループ、ヴァージン・オーストラリアはそれぞれ、オーストラリア政府が打ち出した航空券の運賃半額を補助する観光業支援策の効果で、回復スピードが早まっています。カンタス航空は国際線を2021年10月下旬にも再開する計画で、柔軟にネットワークの再編を目指すことも明らかにしています。
オーストラリア国内の需要が回復していることを受け、カンタス航空とジェットスター航空は、国内線の乗務員全員が仕事に復帰。グループ全体の見通しとして、2021年度第4四半期にはコロナ前の国内供給座席が80%に達し、ロックダウンがない限り90%超も視野に入れています。レジャー需要が好調なことから、オーストラリア国内は2022年度にまで継続して増加が予想され、ジェットスターはコロナ前の120%、カンタス航空も107%に達する見込みです。
これを受け、ジェットスターは低運賃で提供するレジャー旅行への対応として、ジェットスター・ジャパンが余剰機材として運航ラインから外した6機のA320を導入し、オーストラリア国内線に投入します。ジェットスター・ジャパンの所属機では「JA06JJ」「JA12JJ」「JA18JJ」がすでに運航ラインから外れています。
さらに、ジェットスターはボーイング787-8型機のうち、国際線に導入する機体を国際線の再開まで豪国内線に最大5機を投入します。カンタス航空とアライアンス航空との提携により、エンブラエルE190型機を3機、需要の変化にあわせて運航する計画です。これにより、2021年度第4四半期は、グループ保有機の90%が運航ラインに戻ります。駐機を継続する機種は、長期保管するエアバスA380型機と一部のエアバスA330型機、ジェットスターの国際線むけボーイング787-8型機となります。
ヴァージン・オーストラリアも予約が好調なことを受け、6月中旬までにコロナ禍前の豪国内線の供給量80%超にまで回復する計画です。このためリース会社とボーイング737-800型機を10機導入で合意したほか、ATRやタイガーエア・オーストラリアに勤務していた220名以上の客室乗務員が復帰します。さらに客室乗務員も追加で採用します。