X-2初飛行から5年 航空祭でまた見れる?次期戦闘機開発は? | FlyTeam ニュース

X-2初飛行から5年 航空祭でまた見れる?次期戦闘機開発は?

ニュース画像 1枚目:2016年4月22日、X-2初飛行 (hiro1958さん撮影)
2016年4月22日、X-2初飛行 (hiro1958さん撮影)

「心神」との名前でピンとくる方も多い先進技術実証機(ATD-X)「X-2」。初飛行は2016年4月22日(金)、最終組み立てが実施された三菱重工小牧南工場が所在する県営名古屋空港を8時47分に離陸、試験空域に進出し、機体システム確認などを実施したのち、航空自衛隊岐阜基地へ9時13分に着陸しました。今後の開発、動き次第で15年から20年後、この日が日本の第5世代戦闘機の始まりとして記憶に留められる日になるかもしれません。

ニュース画像 1枚目:2016年4月22日、X-2初飛行 (hiro1958さん撮影)
2016年4月22日、X-2初飛行 (hiro1958さん撮影)

X-2は三菱重工の小牧南工場で2014年7月12日(土)にロールアウト。2014年度内にも初飛行が実施されるとみられていました。しかし、2015年1月にエンジン出力を制御するレバーの位置を認識する装置が正常に作動しないことから、ソフトウェア改修。さらに、空中でエンジン停止時に自動で再始動する機能を加える改修実施で初飛行の遅れが報道されました。その後も遅れが出ましたが、2016年4月に無事、初飛行を成功させました。

第5世代戦闘機のF-22をはじめ、空自にも導入されているF-35など、現代の戦闘機に必須とされるレーダーが捉えにくいステルス性、エンジンの推力偏向による高機動性に関する技術を国産で実証する実験機としてX-2は製造されました。この機体そのものが空自の部隊に導入されることは無いことは分かっていたものの、「国産」に多くの人が関心を寄せました。おそらく、敗戦後に航空機を自由に作ることができなかった歴史を知っている、あるいは「国産」の響きに独特の恍惚感があり、多くの人を惹きつける要素になっているのかもしれません。

ニュース画像 2枚目:岐阜基地航空祭でX-2は注目の的。今後の展示も期待されるところ (はっし~さん撮影)
岐阜基地航空祭でX-2は注目の的。今後の展示も期待されるところ (はっし~さん撮影)

その関心の高さは、岐阜基地航空祭で「技本(旧技術研究本部)」カラーの白、赤を基調とした機体、コクピットすぐ下の日の丸のデザインを多くの人が一目見ようと列に並びました。FlyTeamメンバーからも一般公開時の航空フォトが多数、投稿されています。このX-2は、2016年の航空祭を皮切りに、2017年にも披露。現在までに確認されているところ、2017年10月31日(火)の飛行が最後ですが、航空祭では2018年、2019年にもこの機体が披露されています。

X-2は、F-2が2030年代半ばに退役が始まることを想定し、国産の技術開発・取得が目的の機体です。防衛省が長年、「将来の戦闘機に関する研究開発」そして「戦闘機用エンジンシステムに関する研究」などとして予算を確保、研究が進められています。次期戦闘機、いわゆる「F-X」計画ですが、大きくはX-2のステルス技術、IHIが開発を手がけた実証エンジンXF5-1を発展させたXF9-1エンジンのデータを生かすことも必要とみられます。

ニュース画像 3枚目:2017年10月26日に飛行したX-2 (DEE JAYさん撮影)
2017年10月26日に飛行したX-2 (DEE JAYさん撮影)

X-2の飛行データを元に防衛省は2020年10月、F-2戦闘機の後継戦闘機開発について、日本主導で量産化する方針を決め、三菱重工業と契約を締結。さらに同年12月に、そのインテグレーション支援企業としてロッキード・マーティンを選定。三菱重工は、(1)ミッション・システム・インテグレーション、(2)運動性能とステルス性の両立、(3)コンピューター・シミュレーションを駆使した設計作業の3つの技術分野でロッキード・マーティンに支援を求めます。

第5世代戦闘機は陸・海・空だけでなく、アメリカを中心とする友軍と高度な連携が求められ、その実現には次期戦闘機F-Xの全体インテグレーションを成功させる必要があります。空対空戦闘の優勢確保のため日米間の相互運用性(インターオペラビリティ)確保が重大な要素で、エンジン、搭載電子機器(アビオニクス)などを含む各システムの選定作業はアメリカに加え、イギリスとも協議を継続する方針を防衛省は示しています。

イギリスは次世代戦闘機として「テンペスト」の開発を発表済み。日本はF-2開発時にアメリカとの単独契約で技術的な制約を受けた経験から、開発にイギリスも加える道を残すことで、最新技術を制約なく、かつ日本の技術も最大限に生かす状況を残し、防衛協力を模索していく微妙な開発になっていくと見られます。

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