退役進む747-400、1988年初飛行 日本への飛来は貴重な機会

退役進む747-400、1988年初飛行 日本への飛来は貴重な機会

ニュース画像 1枚目:デリバリー時の式典
© デルタ航空
デリバリー時の式典

ボーイング747型機で最も多い694機が製造された747-400型の初号機は1988年4月29日(金)、初飛行しました。最終組み立て地のペインフィールドを離陸、試験飛行後にボーイング・フィールドへ着陸するまで、2時間29分でした。

初飛行した機体は、製造番号(msn)「23719」、機体記号(レジ)「N401PW」で、ボーイングでの試験飛行終了後にノースウェスト航空へ納入され、デルタ航空に引き継がれ、現在はアトランタ国際空港に隣接する「デルタ航空博物館」でその余生を過ごしています。

ニュース画像 1枚目:N661US、シップナンバー「6301」が展示場所に移動
© DELTA AIR LINES
N661US、シップナンバー「6301」が展示場所に移動

747シリーズの初号機「N7470」の初飛行は1969年2月9日(日)。それから19年2カ月後の747-400初飛行まで、747シリーズは日本国内線向けの747SRをはじめ、747SP、747-200、747-300、さらに貨物機などさまざまな派生系を生み出し、進化していました。こうした進化した機種と747-400の大きな違いは、「ハイテクジャンボ」のひとことに集約されるでしょう。グラスコクピット化が進み、電子機器が多用され、747-300までの「クラシックジャンボ」に乗務していた航空機関士を必要とせず、パイロット2名で運航できる機体になりました。

■日本での747-400

747-400の登場は、海外へのアクセスが一段と身近になった時代の到来とも言えそうです。747-400の初飛行の1988年は、日本人の海外旅行者数は842万人超。日本航空(JAL)、全日空(ANA)が747-400を導入する1990年は初めて1,000万人を超え、1997年には1,680万人超。10年で日本人海外旅行者数が倍増する時代に重なります。400席を搭載できた747-300は81機と製造数が少なく、それまでの350席ほどの747-100、747-200と比べ50席多く搭載した747-400は、海外旅行者の増加にも貢献しました。

ニュース画像 2枚目:JALが初めて導入した747-400、JA8071 (Gambardierさん撮影)
© FlyTeam Gambardierさん
JALが初めて導入した747-400、JA8071 (Gambardierさん撮影)

日本ではJALが1990年1月に導入、ANAが同年8月に受領。JALは貨物専用機を含め44機、ANAは23機を導入しており、このうち国内線仕様の747-400(D)はJALが8機、ANAが13機で、国内各地でも親まれる機会が多くあった機種です。JALは2011年、ANAは2014年に全機を退役させています。この退役の機会に合わせ、搭乗した、撮影した方も多いことでしょう。

さらに、日本ではJALとANAに加え、皇族や政府要人の移動に使用する政府専用機として、機体番号(レジ)「20-1101」と「20-1102」の2機が運用されていました。皇族、政治家の海外渡航時のニュース映像でも流れていました。この2機も2019年3月24日(日)に退役し、新たな777政府専用機に任務が引き継がれています。

ニュース画像 3枚目:747-400政府専用機も惜しまれながら退役
© 航空自衛隊
747-400政府専用機も惜しまれながら退役

日本の航空2社は747-400の退役を比較的早く実施しており、最近は海外の航空会社による747-400退役の話題が続いています。例えば、チャイナエアラインは2021年3月、747-400旅客機として最後に製造された機体記号(レジ)「B-18215」で、最後の旅客便をチャーター便として運航。富士山を遊覧飛行する目的で日本上空に飛来しました。

747-400型機の後継機種として開発された747-8型機は、旅客機と貨物機の仕様がありますが、納入された多くが貨物機仕様です。最後の機体もすでに初飛行を終えており、2022年10月までに納入される予定です。

■日本ではどこに飛来する?

現在も運航されている747-400は大半が貨物機で、約220機超とみられます。コロナ禍の状況にもよるものの、今後、旅客機として運航される機会は日本ではほとんど無いでしょう。コクピット付近が盛り上がる独特のフォルムは貨物機として飛来が予想される成田、羽田、関空、セントレアなどの国際空港、あるいは横田基地などで撮影機会を逃さないようにしたいところです。

ニュース画像 4枚目:2021年、日本にも飛来したカリッタエアの747-400、旧JAL機 (LAX Spotterさん撮影)
© FlyTeam LAX Spotterさん
2021年、日本にも飛来したカリッタエアの747-400、旧JAL機 (LAX Spotterさん撮影)

中でもかつてJALで旅客機として使用された後、貨物機に改修されたレジ「JA8909」は、現在カリッタエアで「N744CK」として青いマスクを機種につけた特別塗装が施されています。最近では4月26日(月)に横田基地に飛来し、その後は嘉手納基地に向かい、アメリカに戻っていますが、こうした機会を逃したくないものです。

■運用中の747-400、過去日本籍の機体
現在の機体記号航空会社日本在籍時日本在籍時レジメモ
N743CK DHL日本航空JA8906 DHL塗装
N744CKカリッタエア日本航空JA8909マスク塗装
N745CK カリッタエア日本航空JA8915
N402KZカリッタエア日本貨物航空JA02KZ
N403KZ カリッタエア日本貨物航空JA03KZ
N404KZ アトラス航空日本貨物航空JA04KZ
N406KZ アトラス航空日本貨物航空JA06KZ
N407KZ アトラス航空日本貨物航空JA07KZ
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