AIRDOとソラシドエア、共同会社設立か コロナ対応で注目の動き

AIRDOとソラシドエア、共同会社設立か コロナ対応で注目の動き

ニュース画像 1枚目:AIRDOとソラシドエア イメージ
© FlyTeam / ソラシドエア
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地域密着型で運航するAIRDOとソラシドエアが共同持株会社の設立を検討しています。日本経済新聞が2021年5月13日(木)付で、報じました。新型コロナウイルスで航空業界は苦境にあり、そうした背景から資材調達、機体整備の共同化によるコスト削減につなげる狙いです。AIRDOはこの報道について、「当社が決定・発表したものではございません」と発表していますが、調整中の状況と見られます。

AIRDO、ソラシドエアともに航空旅客数の減少により、厳しい経営環境に置かれています。2020年4月から9月までの両社の中間決算では、AIRDOが旅客数80.9%減、ソラシドエアが77.6%減となり、営業収入はAIRDOが69.2%減、ソラシドエアは61.9%減となっています。

統合となった場合、両社の地盤とする北海道、九州南部と重なることは無く、顧客層に違いがあることはメリットと見られます。さらに両社とも全日本空輸(ANA)とコードシェアによる運航を実施しており、その運航ではANAとのつながりを今後も活かすことができそうです。一方で規制緩和で優先的に配分されている羽田発着枠の扱いは統合では一部で返却が求められる可能性もあり、ブランドは個別に残す形を採るなど、その形態も注目されます。

他の国内の航空会社では、スターフライヤーが2020年12月、第三者割当増資、事業提携する経営コンサルタントのアドバンテッジアドバイザーズの役員を新たに選任し、経営・財務基盤の強化に取り組んでいます。スカイマークは2020年12月、資本金を90億円から1億円に減資し、さらに投資会社のインテグラルなどから資金繰りの支援を受けているとも伝えられています。当面の資金繰り、コスト削減だけで無く、AIRDOとソラシドエアは共同の会社とすることで新たな施策を生み出すか、注目される動きです。

■AIRDOの大株主(2020年9月30日現在)
日本政策投資銀行:32.49%
ANAホールディングス:13.61%
双日:10%
北洋銀行:5%
石屋製菓:4.25%
楽天:4.25%
北海道空港:3.4%
東京海上日動火災保険:2.12%
ノースパシフィック:1.37%
大成建設:1.29%
■ソラシドエアの大株主(2020年9月30日現在)
日本政策投資銀行:19.24%
宮崎交通:17.03%
ANAホールディングス:17.03%
米良電機産業:6.6%
宮崎銀行:2.77%
羽田タートルサービス:1.88%
テレビ宮崎:1.43%
双日:1.36%
宮崎空港ビル:1.19%
那覇空港ビルディング:1.01%
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