次期エアフォース・ワン、納期2024年に遅れ?

次期エアフォース・ワン、納期2024年に遅れ?

ニュース画像 1枚目:現行の大統領選用機、747-200ベースのVC-25
© U.S. Air National Guard photo by Tech. Sgt. Matt Hecht
現行の大統領選用機、747-200ベースのVC-25

アメリカ大統領が搭乗する専用機「エアフォース・ワン」改修作業の遅れが明らかになり、納期の2024年に間に合わない可能性が指摘されています。内装作業を担当していたと見られるGDCテクニクスとボーイングによる訴訟合戦となり、その中で作業遅れが明らかになっています。

アメリカ空軍は2013年に現在のエアフォース・ワンの更新プログラムを始動、2015年1月には次期大統領専用機としてボーイング747-8を選定。さらに2018年2月には、ボーイングも次期大統領専用機「エアフォース・ワン」の製造、提供を発表していました。

その後、次期大統領専用機としてトランスアエロ航空向けに製造済みの747-8インターコンチネンタル(I)、製造・ラインナンバー(msn / line)「42416 / 1519」と「42417 / 1523」が割り当てられました。この機体は「N894BA」、「N895BA」として登録され、2019年4月には当時保管されていたヴィクターヴィルからサンアントニオのラックランド空軍基地に運び込まれていました。

ボーイングの主張によると、内装作業を担当していたGDCはその管理ができておらず、2機のうち1機は指定された期限の作業が完了していない状態にあります。一方、GDCはボーイングの管理不行き届きが作業遅れの原因と反論しています。こうした状態からボーイングはGDCとの契約を4月に解除しています。

裁判資料によると、GDCは大統領専用機に設けられる会議室や客室の内装部分を担当していました。これまでにもGDCは787のVVIP機改修などの実績もあり、今回の大統領専用機でもその作業を担う企業として選定されたものとみられます。

ボーイングは現在、737 MAX問題、787でも製造時の問題を抱える納期遅れ、さらにはコロナ禍の不振など大小さまざまな問題が山積しています。その中で、黄金期を支えた747の最終モデル747-8Iをベースとした次期VC-25は明るい話題でもあり、力を入れているプロジェクトです。ボーイングは「当初の期限に間に合う」との見方ですが、Foxニュースによると、アメリカ空軍は納期遅れへの対応も検討している模様です。

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