日本にも飛来実績あるOC-135Bオープン・スカイズ、全て退役へ

日本にも飛来実績あるOC-135Bオープン・スカイズ、全て退役へ

ニュース画像 1枚目:OC-135 イメージ (ファントム無礼さん撮影)
© FlyTeam ファントム無礼さん
OC-135 イメージ (ファントム無礼さん撮影)

2002年に発効されたオープンスカイズ条約に基づき、アメリカ空軍が査察用航空機として使用したOC-135Bオープン・スカイズが2021年5月、退役しました。ビューロナンバー「61-2672」はすでに拠点のオファット空軍基地からツーソンへフェリーされ、「61-2670」も6月初旬に退役、ツーソンでいずれも解体される予定です。

オープンスカイズ条約は1992年に署名、34カ国の署名国は相互に領土上空から監視のため飛行が認められた条約です。2002年発効後に上空飛行が開始されましたが、2020年にトランプ政権下でロシアが取り決めを守らないとして、アメリカは破棄を通告していました。これに伴い、査察用航空機も退役となったものです。

「61-2670」「61-2672」とも機齢は60年近く、日本にもOC-135Bオープン・スカイズとして飛来実績があります。OC-135Bは計3機あり、空中給油機KC-135ストラトタンカーでも知られるC-135をベースとしています。査察機は、放射性粒子をリアルタイムに探知できる能力を備えたWC-135コンスタント・フェニックスから改修。1機目として「61-2674」が1993年6月ごろ、2機目「61-2672」が1994年ごろ、3機目「61-2670」が1996年5月ごろ、改修されました。

任務時には、コクピットにパイロット、ナビゲーターなどに加え、メンテナンスクルー、アメリカ国防総省の担当者、アメリカ以外の国からの代表団など35名が乗り込みます。主に機体後部に設置されているカメラ4台を使用し、およそ11,000メートルから写真撮影し、分析・解析します。

C-135をベースとした航空機は、KC-135が現役で使用されていますが、OC-135のうち「61-2674」はすでに退役、今回は「61-2670」「61-2672」の2機も退役し、1962年初飛行の機体が59年の任務をようやく終えます。

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