737 MAX、納入再開 - ライアンエア、ボーイング首脳に苦言

737 MAX、納入再開 - ライアンエア、ボーイング首脳に苦言

ニュース画像 1枚目:サウスウェスト航空 737-8-MAX
© Southwest Airlines
サウスウェスト航空 737-8-MAX

ボーイングは2021年5月18日(火)、ボーイング737 MAX型機の納入を再開しました。再開の1機目は5月19日(水)、サウスウェスト航空へ737-8-MAXのレジ「N8814K」を納入。5月20日(木)にもサウスウェスト航空へ「N8812Q」が納入されました。737 MAXをめぐっては2機の墜落事故を受け、2019年3月から2020年11月まで運航停止と同時に納入を停止し、今回は「再々開」となります。

ボーイングは4月下旬、第1四半期決算発表にあわせ737 MAXの納入を一時停止していると明らかにしていました。4月7日(水)にサウスウェスト航空向け「N8815L」、ベラヴィア航空に向け「EW-528PA」が納入されて以降、737 MAXの電気系統に問題あることが判明し、その対応を講じていました。

今回の納入再開にあたり、アメリカ連邦航空局(FAA)も改修を承認。導入ずみの各社も、その改修に対応を済ませれば、地上で待機している機体も徐々に運航ラインに戻るとみられます。

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© Ryanair
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発注数が多い顧客のうち、ライアンエアは2021年度決算に合わせ、ボーイングに苦言を呈しています。ライアンエアは737-8-MAXをベースにした座席増加仕様の737-8200を計210機、確定契約しています。

2020年時点の予定は、2021年1月納入でしたが、アメリカ連邦航空局(FAA)とヨーロッパ航空安全庁(EASA)による737-8200の型式証明取得は4月で納入遅れ。さらに、型式証明取得後に納入されると見ていたものの、4〜5月は電気系統の問題もあり、決算資料では5月21日(金)と記しましたが、これも遅れています。ライアンエアの経営環境はコロナ禍で厳しい状況にあるものの、ヨーロッパの大手航空会社が軒並み政府支援を受ける中、自力での資金調達を含めた財務状況は良く、新機材の導入で2021年夏には40機を揃え、需要回復を取り込む狙いでした。

ボーイングは現在、ライアンエアに737-8200を5月末に納入すると伝えているものの、オライリーCEOは「この予定はあてにしていない」と言及。ボーイング首脳のマネージメントに問題があると言い、改善を求めています。ただし、737-8200はコスト効率が良く中長期的に経営へ寄与し、2022年夏には60機導入で、需要の取り込みに貢献すると期待も示しています。

ライアンエアは2020年12月、737 MAXの運航再開が決まり、初めての契約として737 MAXの確定発注を75機追加。ボーイングを支える上顧客でもあり、5月中に引き渡しできるかも注目されます。なお、737-8200初号機はレジ「EI-HAT」で登録される機体とみられ、初飛行は2019年1月13日(日)でした。このほか、30機ほどはすでに製造済みです。

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