超音速ビジネスジェット開発「アエリオン」、資金難で事業停止

超音速ビジネスジェット開発「アエリオン」、資金難で事業停止

ニュース画像 1枚目:アエリオン 公式ウェブサイト「AS2」
© Aerion Supersonic
アエリオン 公式ウェブサイト「AS2」

超音速ビジネスジェットの開発を手がけるアエリオンが事業を停止します。アメリカのニュース専門放送局CNBCが2021年5月下旬、その内容を伝えました。超音速ジェット機「アエリオンAS2」の開発に必要な資金調達が困難であることを理由としています。

アエリオンAS2は、ボーイングが開発を支援し、エンジニアリング、製造、飛行試験のリソースなどを提供していた超音速ビジネスジェットです。AS2の構想が発表されたのは2014年5月。アメリカでビジネスジェットを運航するフレックスジェットが2015年11月、アエリオンAS2を20機、確定発注。エンジンの初期設計を2018年10月時点で完了、初飛行は2024年、商業運航は2026年までに実現させる目標を掲げていました。

アエリオンAS2は、最大速度はマッハ1.5、運航乗員2名で乗客12名を乗せ、4,750海里と8,797キロを超音速で飛行する仕様でした。AS2の価格は1機あたり1億2,000万ドル(約130億円)。AS2の開発費用は約40億ドルで、エンジン開発に10億ドルを費やしていると2020年1月、アエリオンのトム・バイスCEOはコメントしていました。

2021年初めには、フロリダ州のロン・デサンティス知事と共に記者会見を行い、アメリカのオーランド・メルボルン国際空港に3億,7500万ドルの製造施設を建設することも発表。3月には、バークシャー・ハサウェイ社傘下のネットジェットが20機発注を表明したばかりで、急展開での事業停止となります。

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