成田空港2020年度決算、民営化初の損失 今年度の回復鈍く

成田空港2020年度決算、民営化初の損失 今年度の回復鈍く

ニュース画像 1枚目:成田空港 ターミナル1
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成田空港 ターミナル1

成田国際空港(NAA)は2021年5月27日(木)、2021年3月期(2020年度)決算を発表しました。営業収益は718億円と民営化以降、最低でした。2021年度は2020年度から航空機発着回数、旅客数ともに回復に向かう見通しが示されていますが、2019年度比で旅客数は12%とコロナ前のレベルとは大きな開きが残る予想です。

2020年度決算は、営業収益が2019年度比70%減の718億円、営業損失575億円、経常損失573億円、純損失714億円で、期末決算として民営化以降、初めて損失を計上しました。

新型コロナウイルスの感染拡大に伴う需要急減で、航空機発着回数は2019年度が25.8万回、2020年度は10.6万回と半減。航空旅客数も2019年度の4,148万人から2020年度は325万人と92%減に落ち込みました。こうした厳しい環境でも、航空機の運航、空港内店舗運営の継続を目的に各種料金の減免措置を実施しました。

2021年度は、大幅な回復は見込まれないものの、ワクチン接種により上向くとの見立てを示し、航空機発着回数は11.9万回、航空旅客数は510万人とそれぞれ2020年度からは増加すると想定。ただし、2019年度比で見ると発着回数は46%、旅客数は12%にとどまります。

2021年度決算の予想は、航空機発着回数や航空旅客数など航空需要と連動性の高い料金収入を主力としているため、やや上向く予想から営業収益は2020年度の718億円から2021年度は800億円に増加。ただし、2019年度の営業収益2,371億円の34%程度にとどまる見通しです。営業損失620億円、経常損失660億円、純損失670億円と想定しており、いずれも2期連続の損失を見込んでいます。

ニュース画像 1枚目:2017年度以降の航空機発着回数 実績と予想
© 成田国際空港
2017年度以降の航空機発着回数 実績と予想
ニュース画像 2枚目:2017年度以降の航空旅客数 実績と予想
© 成田国際空港
2017年度以降の航空旅客数 実績と予想
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