747-8インターコンチネンタル、定期便就航から9年 今後の活躍は?

747-8インターコンチネンタル、定期便就航から9年 今後の活躍は?

ニュース画像 1枚目:(ミソカツさん撮影)
© FlyTeam ミソカツさん
(ミソカツさん撮影)

今から9年前(2012年/平成24年)の6月1日(金)、ルフトハンザドイツ航空の747-8インターコンチネンタル(I)、機体記号(レジ)「D-ABYA」がフランクフルト/ワシントン線で初の営業フライトを運航しました。ボーイング747-8型機は、1969年2月9日(日)に初飛行し、「ジャンボジェット」の愛称で知られるボーイング747の最終モデルです。2010年2月8日(月)に貨物型の747-8F(フレイター)、2011年3月20日(日)に旅客型の747-8Iがそれぞれ初飛行しています。日本路線への投入は、ルフトハンザが2014年10月26日(日)、初めて羽田/フランクフルト線で運航しました。

747-8Iはコクピットを含む機首部分に2階席を設け、胴体は全長76.4メートル(m)、主翼幅は68.5mと747シリーズで最も大きな機体。納入数は747シリーズの旅客機として最も少ない35機です。ルフトハンザドイツ航空が19機、中国国際航空が7機(うち1機がVIPとして使用)、大韓航空が9機です。最後に製造された大韓航空向けの747-8Iは2017年7月31日(月)、納入されており、現在は機体記号(レジ)「HL7644」として運用されています。

ニュース画像 1枚目:747-8インターコンチネンタル、最後の製造機となった「HL7644」 (beimax55さん撮影)
© FlyTeam beimax55さん
747-8インターコンチネンタル、最後の製造機となった「HL7644」 (beimax55さん撮影)

747-8Iが登場するころ、すでにエアバスは超大型機としてエアバスA380型機の納入を開始していました。エアバスはA380など超大型機による大都市間の輸送と、単通路機を組み合わせたネットワークが求められると想定。ボーイングは「ハブ・アンド・スポーク」のネットワークによる多頻度運航が主流になると想定し、新たな素材を多用したボーイング787型機の開発を進めていました。ボーイングとエアバスの考え方に違いがあったものの、ボーイングもエアバスに対抗するため、787で開発した技術を最新型の747-8に取り入れ、市場に投入しました。

ニュース画像 2枚目:初飛行に向け滑走路に向かうA380
© AIRBUS
初飛行に向け滑走路に向かうA380

コロナ禍の現在、A380の多くは地上で保管され、多くの機体が運航されていません。また、747-8Iも機数が少なく、乗る機会も目に触れる機会が限られることが想定されます。ルフトハンザはA380の運用は中止し、747-8Iは引き続き運航する方針を発表。大韓航空、中国国際航空も明確な発表はしていないものの、航空機の一般的な機材更新の時期とされる15年から20年程度は使用することが想定されます。そして747-8Iはアメリカ大統領の次期専用機として選定されているため、少なくとも20年程度は活躍の場が与えられそうです。

ニュース画像 3枚目:現在は747-200ベースの機体。今後登場する747-8ベースの大統領専用機はデザインも注目されます (tamitanさん撮影)
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現在は747-200ベースの機体。今後登場する747-8ベースの大統領専用機はデザインも注目されます (tamitanさん撮影)

アメリカ空軍は2013年に現在のエアフォース・ワンの更新プログラムを始動、2015年1月には次期大統領専用機としてボーイング747-8Iを選定。さらに2018年2月には、ボーイングも次期大統領専用機「エアフォース・ワン」の製造、提供を発表しています。すでに製造・ラインナンバー(msn / line)「42416 / 1519」と「42417 / 1523」が割り当てられ、機体記号「N894BA」、「N895BA」として登録された2機は機内の改修作業が行われています。2024年ごろにはアメリカ空軍に納入される予定で、ボーイングが開発した名機として「747」があったことを今後も記憶に留めさせてくれる機体となりそうです。

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