ボーイング777、初めての定期便運航から現在まで

ボーイング777、初めての定期便運航から現在まで

ニュース画像 1枚目:777定期便として初めて使用されたN777UA、日本にもたびたび飛来 (雲霧さん撮影)
© FlyTeam 雲霧さん
777定期便として初めて使用されたN777UA、日本にもたびたび飛来 (雲霧さん撮影)

26年前(1995年/平成7年)の6月7日(水)、ユナイテッド航空の機体記号(レジ)「N777UA」のボーイング777-200型機が、777(トリプルセブン)として初めて商業飛行に投入されました。現在でもフルサービスを謳う航空会社の主力機材として使用されている機種の初めての定期便運航で、ロンドン・ヒースロー空港を出発、ワシントン・ダレス国際空港に向かう便でした。今回は、トリプルセブンの概要を振り返ってみます。

トリプルセブンは、全日本空輸(ANA)、日本航空(JAL)など多くの航空会社と協力し、それぞれの課題を抽出しながら機体に実装していく流れで開発が進められました。「ワーキング・トゥギャザー」と呼ぶ設計方式で、後に登場するボーイング787型機にもこの方式が引き継がれています。

ニュース画像 1枚目:ボーイング テスト機として使用された「N7771」の777-200 (Fuseyaさん撮影)
© FlyTeam Fuseyaさん
ボーイング テスト機として使用された「N7771」の777-200 (Fuseyaさん撮影)

ボーイング777型機の初飛行は、1994年6月12日(日)でした。ボーイングの試験飛行機として製造番号(MSN)「27116」、ラインナンバー「1」、レジは「N7771」です。「777」の「1」機目を表すレジが採用されていました。この機体はテスト飛行時、プラット・アンド・ホイットニー(P&W)製のPW4000シリーズのエンジンを搭載していました。

ニュース画像 2枚目:777初号機、ボーイングでは「N7771」で使用、キャセイパシフィック航空では「B-HNL」
© Cathay Pacific
777初号機、ボーイングでは「N7771」で使用、キャセイパシフィック航空では「B-HNL」

世界初の777はテスト飛行を終えた後、キャセイパシフィック航空へ2000年12月に引き渡しされています。この際、エンジンはロールス・ロイス(RR)製のTrent(トレント)800シリーズに替えられ、17年に渡る定期便運航に使用されました。定期便の運航で20,519便を運航、49,687飛行時間を記録し、2018年5月末に退役し、アメリカ・アリゾナ州のピマ航空宇宙博物館に寄贈されています。なお、777-200はP&W、RRに加え、ゼネラル・エレクトリック(GE)製のGE90シリーズを加え、エンジンは3択でした。

ニュース画像 3枚目:日本初のボーイング777型機「JA8197」 (だいちゃん@RJSSさん撮影)
© FlyTeam だいちゃん@RJSSさん
日本初のボーイング777型機「JA8197」 (だいちゃん@RJSSさん撮影)

日本の航空会社には、全日空(ANA)には1995年10月に「JA8197」、日本航空(JAL)には1996年2月に「JA8981」、さらに日本エアシステム(JAS)に1996年12月に「JA8977」がそれぞれ777初号機として導入されました。これら初期に導入された777はすでに退役しています。2014年4月に「JA8981」、2016年8月に「JA8197」、JASからJALに移管された「JA8977」は2020年1月にそれぞれ退役しています。

ニュース画像 4枚目:ペインフィールドにあるボーイング777 製造ライン
© Boeing
ペインフィールドにあるボーイング777 製造ライン

777派生系は、基本の777-200と胴体を延長した777-300の2種があります。この2種の航続距離を延長した777-200ER、777-200LR、777-300ERの3種を加えた計5種の旅客機と、777-200LRをベースに開発された貨物専用機777F、計6種があります。さらに、777-300ERをベースに旅客機を貨物機に改修する777-300ERSFが現在、開発されています。イスラエル・エアロスペース・インダストリーズ(IAI)とリース会社のGEキャピタル・アビエーション・サービス(GECAS)が共同で事業を進めています。

ニュース画像 5枚目:777-9初号機、初飛行 レジは「N779XW」
© Boeing
777-9初号機、初飛行 レジは「N779XW」

さらに、777の最新派生機として777Xと呼ばれる777-8、777-9の開発が進められています。777-9初号機が2020年1月25日(土)に初飛行し、2022年には引き渡しが始まる予定です。

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