777政府専用機が2021年6月10日(木)、羽田空港を出発し、6月11日(金)にイギリスのニューキー・コーンウォール空港に到着しました。菅首相がG7サミットに出席する輸送任務で、JF001便として運航した機体はボーイング777-300ER型の「80-1111」でした。
当初は「80-1112」を主務機とする予定でしたが、出発前の点検で機内照明の不具合が確認され、使用する機体が変更されました。「80-1112」は5月下旬に羽田空港で整備された模様で、その後に千歳基地に戻り訓練飛行を実施し、任務に備えていました。この機体は羽田で修理を終えており、6月11日(金)にコーンウォール空港へ向かう予定です。また、加藤官房長官は、首相の帰国時にどちらの機体を使用するかは「決まっていない」と述べています。
日本の777政府専用機「80-1111」の受け入れを含め、G7議長国のイギリスは警備体制を整え、各国首脳が搭乗する各国の政府専用機を万全の対応で迎え入れています。G7会場のコーンウォール州カービスベイが所在するセント・アイヴス湾にはクイーン・エリザベス級空母「プリンス・オブ・ウェールズ(R09)」を沖合に展開し、海上の警戒監視と対応する航空機の対応に備えています。
さらに、コニングスビー空軍基地所属のタイフーン戦闘機「ZK371」、ブライズノートン空軍基地所属でユニオンジャック特別塗装が施されたボイジャー空中給油機「ZZ336」をニューキー・コーンウォール空港の沖合上空に空中待機させ、警戒に当たりました。各国首脳が到着する時間帯に合わせた厳戒体制を敷きました。
この様子は、機体から発信されるADS-Bの電波を主に使うflightradar24、自動船舶識別装置(AIS)の信号を主に使うMarineTrafficの2サイトで閲覧できる状態となっていました。いずれも意図的に信号を発信したと考えられ、G7にあわせた警戒体制をあえて見れる状態にした可能性があります。