JAXA、超音速機技術の実用化に向け国内大手重工などと協議会

JAXA、超音速機技術の実用化に向け国内大手重工などと協議会

ニュース画像 1枚目:JAXAがイメージする超音速機旅客機
© JAXA
JAXAがイメージする超音速機旅客機

国内での超音速機技術の研究開発から実用化に向け、官民合同の開発体制を確立するため、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が民間企業などと協定を締結したと発表しました。協定締結は2021年3月31日(水)で、JAXA、日本航空機開発協会(JADC)、日本航空宇宙工業会(SJAC)、三菱重工業(MHI)、川崎重工業(KHI)、SUBARU、IHIが参画するJapan Supersonic Research(JSR)協議会を設けます。

JSR協議会は、2030年頃に想定される超音速機の国際共同開発への参画をめざし、技術ロードマップの策定、国際共同開発に向けた協力体制を実現する活動を議論します。超音速機は、コンコルドで定期便に使用された過去があり、飛行時間を大幅に短縮し、航空機を使った輸送に大きな変化があるメリットは知られています。その一方、燃費の悪さという経済性、ソニックブームと言われる地表への影響に代表される環境適合性で技術的な課題があります。

JAXAは、課題解決に向けた超音速機技術の研究開発として、2005年にオーストラリアのウーメラ実験場での飛行実験でコンコルドより13%空気抵抗を低減できる技術を実証、2015年にスウェーデンのエスレンジ実験場でソニックブームを半減できる技術を実証しています。こうした成果を産業界へ還元するため、JSR協議会を通じてJAXAと産業界が連携し、国内で研究開発を推進する体制を整えます。

超音速旅客機は、すでにアメリカのベンチャー企業が航空会社などから受注を獲得するなど、コンコルド後の第2世代の開発が本格化しつつあります。JAXAの研究で、空気抵抗を低減による経済性を考慮した飛行、ソニックブーム半減による環境面での応用なども期待されます。

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