ボーイングは2021年6月18日(金)、737 MAXファミリーで最も大きな機体となるボーイング737-10型、機体記号(レジ)「N27751」で初飛行しました。この機体は2019年11月にロールアウトしていましたが、737 MAXの2件の墜落事故をめぐる運航停止、新造機の納入中止などに伴い、初飛行まで1年6カ月かかりました。一連の認証試験を経たのち、この機体そのものはユナイテッド航空に引き渡しされる予定です。
初飛行は6月18日(金)10時7分、737の工場が隣接するワシントン州レントン飛行場を離陸し、シアトルのボーイングフィールドに12時38分、着陸しました。初飛行は主にワシントン州内を飛行。途中、モーゼスレイク空港で高度を下げ、滑走路32Rから進入し、再び高度を上げて、ボーイングフィールドに向かいました。一連の飛行で、機体のシステム、飛行制御、操縦性が確認されました。
この初飛行を皮切りに、737-10のテストプログラムが本格的に始動します。ボーイングはアメリカ連邦航空局(FAA)などと緊密に協力し、2023年の定期便就航に向け認証を取得する計画です。
737-10は、最大230席を搭載可能です。このためボーイング737を主力機で運航、多くの座席を搭載し、機長などの人員確保や育成面で大きな変更がないライアンエアが大量発注を検討している機種でもあります。現在の737NG(ネクスト・ジェネレーション)ファミリーと比較し、二酸化炭素排出量は14%削減、騒音50%減を実現、環境にも配慮された機種です。多くの座席を搭載でき、燃料効率も向上することから、単通路機の737ファミリーとして1席あたり最も効率良い機材になると見込まれています。
■737 MAX、長さと席数 737-7 MAX:35.5m、138~172席 737-8 MAX:39.5m、162~210席 737-9 MAX:42.2m、178~220席 737-10 MAX:43.8m、188~230席