イギリス海軍のクイーン・エリザベス級空母「クイーン・エリザベス(R08)」に搭載されているF-35BライトニングIIが初の実戦任務に従事しましたが、アメリカ海兵隊にとって歴史的な作戦でした。アメリカ海兵隊がアメリカ以外の空母から発艦した実戦参加は1943年以来、実に78年ぶりでした。1943年はイギリス空母「ヴィクトリアス」が太平洋に前方展開し、アメリカ海兵隊が作戦に参加しました。
今回の実戦任務は、かつてイスラム国、あるいはISISやISILと呼ばれるダーイッシュ掃討支援です。イギリスは「オペレーション・シェイダー」、アメリカは「生来の決意作戦(オペレーション・インヒアレント・リゾルブ)」の名称で継続されています。
作戦に参加したアメリカ海兵隊の第211海兵戦闘攻撃中隊(VMFA-211)、イギリス空軍(RAF)第617飛行隊「ダムバスターズ」とも、カタールのアル・ウデイド空軍基地に設けられているアメリカ空軍の連合航空作戦センター(CAOC)から指揮を受けました。CAOCがクイーン・エリザベスから発艦するF-35Bの運用を統合した初めての任務でもありました。このCAOCは、アメリカ中央軍が担当する北東アフリカ、中東、中央アジア、南アジアをカバーする航空作戦を担っています。
アメリカ海兵隊、イギリス空軍、イギリス海軍の発表で、東地中海を航行していると見られますがこの作戦を実施した際の「クイーン・エリザベス(R08)」の航行位置などは明らかにされていません。今回の作戦の従事期間も明らかにされていませんが、今後はスエズ運河を経由し、オマーンに寄港する予定です。