米政府、フィリピンにF-16V戦闘機12機売却を承認 -「高すぎる」

米政府、フィリピンにF-16V戦闘機12機売却を承認 -「高すぎる」

ニュース画像 1枚目:F-16戦闘機ブロック70/72 イメージ
© U.S. Air Force photo by Tech. Sgt. John Raven
F-16戦闘機ブロック70/72 イメージ

アメリカ国務省は2021年6月24日(木)、フィリピン政府へF-16戦闘機ブロック70/72(いわゆるF-16V)の計12機と、その関連機器を約24.3億ドルで契約締結する対外有償軍事援助(FMS)の輸出を承認しました。アメリカ国防安全保障協力局(DSCA)は、同日付でアメリカ議会へ承認に必要な書類を提出しています。一方、フィリピン側はこの売却額について「高すぎる」との認識を示しています。

DSCAによると、フィリピンへの売却が承認された機体は、F-16Cブロック70/72の10機、F-16Dブロック70/72を2機です。エンジンはF100-PW-229EEPまたはF110-GE-129Dが15基と、スペアが含まれています。AN/APG-83(SABR)、モジュラー・ミッション・コンピュータ7000AH、中距離空対空ミサイルAIM-120C-7/C-8または同等の装備品なども売却予定です。戦闘機と各種装備品に加え、人材育成や訓練機器、アメリカ企業による技術サポートとロジスティクスの支援などもこの契約に含まれています。主契約者はロッキード・マーティンです。

これを承認する理由として、フィリピン政府がフィリピン南部で取り組むテロ対策活動の支援を理由に挙げています。精密弾を搭載したF-16戦闘機の配備で、巻き添え被害を最小限に抑え、将来に至るまで脅威に対応する能力向上につなげます。また、フィリピン政府が取り組む軍事力の近代化にも資すると説明しています。

フィリピンは、次期戦闘機として12機の導入を検討していると明らかにしています。この有力候補としてロッキード・マーティンのF-16Vと、サーブのJAS-39グリペンを挙げていました。この2機種を見ると、グリペンの方が安価になると見られますが、支援やロジスティクスの部分を含めた判断になるか、F-16を安価に入手するため、フィリピン防衛相が「高すぎる」と発言したのか、今後の成り行きが注目されます。

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