日本航空(JAL)は、グループの格安航空(LCC)事業強化策として春秋航空日本(SPRING JAPAN)とジェットスター・ジャパンに対し、追加出資しました。JALは2020年11月に1,826億円を公募増資しており、その調達資金の一部を充てました。公募増資時の計画で、JALはこの2社には計100億円を充てる計画でした。この出資でSPRING JAPANはJALグループの連結対象子会社になりました。
JALグループは、これにより成田を拠点とするLCCネットワークを構築します。SPRING JAPANは中国路線、ジェットスター・ジャパンは国内線、さらに全額出資して設立したジップエア(ZIPAIR Tokyo)は中・長距離路線を主体にそれぞれのブランドで運航します。
SPRING JAPANは、中国で最大のLCC・春秋航空を傘下に収める春秋グループが設立した航空会社です。中国では高いブランド力と販売力を誇り、中国から日本へ向かう旺盛なインバウンド旅客需要に応える狙いです。このため、春秋グループとの連携は継続し、将来的には現在直行便が就航していない中国国内地点へ成田発着のネットワーク拡充を目指しています。
ジェットスター・ジャパンは、オーストラリアのカンタス・グループと引き続き連携します。LCCのジェットスター・ブランドとフルサービスのJALブランド、それぞれの強みを融合するデュアルブランド戦略を掲げ、日本国内のLCCマーケットの拡大に取り組みます。また、ジェットスターはJALからの追加出資でコロナ禍の影響を受けた財務体質の早期回復、想定される需要回復にスピード感を持って対応し、成長につなげる方針です。
ジップエアは7月21日(水)から、ホノルル線の運航を再開します。さらに、アメリカの西海岸やアジア線など中長距離路線に新規就航を計画しています。このため、JALは2020年11月に公募増資した1,826億円のうち50億円を使用し、JALが保有する2機の改修・リース資金として充てる計画です。