全日本空輸(ANA)のボーイング737-700型機「JA06AN(機体記号)」が2021年7月6日(火)、羽田空港から離日しました。アンカレジを経由し、カリフォルニア州ヴィクターヴィルのサザンカリフォルニアロジステクス空港に日本時間7月7日(水)23時20分ごろ、到着しました。ANAが2005年11月に導入したボーイング737-700型機は、15年7カ月で完全退役しました。
ボーイング737-700型機は1,200機超が製造され、日本ではANAが新造機として18機を導入しました。ANAに導入された737-700型機は、一部がAIRDOに移籍し、活躍しています。ANAで活躍した15年間の主な話題と、今も現役で活躍するAIRDOの737-700を振り返ってみましょう。
■印象的なゴールドジェット
導入された「JA01AN」と「JA02AN」は、その運用途中まで金色の特別塗装が施された「ゴールドジェット」と呼ばれました。特に、名古屋に開港した中部国際空港(セントレア)を拠点とした国内、国際線での運航が予定されていました。名古屋にちなみ「金シャチジェット」と呼ぶ場合もあります。セントレアの国際線開拓に期待を託された機体で、台北、香港線などの国際線に就航しました。
■世界唯一の737-700ER型
ボーイング737-700ER型は、「ER」が「Extended Range」の略で、航続距離延長を指します。ボーイングが製造する機種では、777、767でも同様に機種の最後に「ER」が付く場合があり、それらも標準仕様から航続距離が延長されています。
ANAが唯一、導入した機体で「JA10AN」「JA13AN」として2007年2月と同年8月にそれぞれ導入。機体の胴体には「ANA BusinessJet」と記され、ビジネスジェットのようなサービス、目的地までの飛行時間を過ごせることを売りとした機体で、主に中国、インド路線に使用されました。「JA10AN」はビジネス24席、エコノミー20席、「JA13AN」はビジネスクラスのみ38席の仕様でした。
2014年には特別塗装が通常塗装に変更され、2016年5月から7月にかけて2機とも退役しました。導入から10年未満で退役、いずれもすでに解体されています。
■まだまだ国内で現役!
ANAからは全て退役したものの、ANA所属の737-700は現在、AIRDOで8機が活躍しています。ゴールドジェットの「JA01AN」が2012年9月下旬、AIRDO塗装へと塗り替えられ、AIRDOの機材更新が始まりました。この機材を皮切りに計9機を導入。AIRDOは「JA01AN」を2019年8月に除籍し、現在は8機を運航しています。
全て、コーポレートカラーの水色と黄色をベースにしたデザインで運航されています。今後はこの8機、普通席のみの計144席を搭載し、主に北海道各地と羽田、名古屋(セントレア)、仙台、神戸を結びます。