アメリカ空軍は2021年7月6日(火)、開発中の次期ステルス爆撃機、B-21レイダーのアーティスト・レンダリング画像を公開しました。背景は、カリフォルニア州エドワーズ空軍基地です。アメリカ空軍は数枚のレンダリングを公開していますが、今回の画像もさまざまなデータを基に、アーティストがB-21レイダーの概要を描き出したと説明しています。
2020年に公開された3枚のレンダリングは全て右側、スターボードサイドからの画でした。今回は飛行している状態をイメージし、左舷、ポートサイドからの画です。これまで公開された3枚とはコクピットの窓の形状が異なり、胴体全体の厚みがあるように見受けられます。この厚みは、搭載できる武器がB-2スピリットより多くなっている可能性がありそうです。また、2016年に公開された最初のレンダリング、2020年のレンダリングでもコクピット横に少し伺わせていたエアインテークが下から見上げる形でいっそう分かりにくくなり、重要な技術であることを伺わせます。
エドワーズ空軍基地が背景に描かれた理由は、同基地所属の第420飛行試験隊がB-21レイダーの地上・飛行試験の計画、試験、分析、報告を予定していることを踏まえたものです。B-21レイダーは2022年初めごろにも飛行試験が始まるとみられます。
現在、B-21プログラムは、設計・製造開発フェーズにあり、低率初期生産に備えた供給体制と製造インフラの能力拡大に取り組んでいます。2018年に実施された最終設計審査では、成熟かつ安定した設計との結論を得ています。
アメリカ空軍は、B-1ランサーとB-2スピリットを段階的に更新し、長距離戦略爆撃機をB-21レイダーと改良したB-52の2機種体制にする計画です。B-21レイダーは、諜報、監視・偵察、電子攻撃など長距離爆撃任務に対応し、2020年代半ばにエルズワース空軍基地に配備される予定です。アメリカ空軍は最低100機を調達する計画で、2019年度では1機6億3,900万ドル、日本円でおよそ700億円ほどとみられます。