イギリス海軍のクイーン・エリザベス級空母「クイーン・エリザベス(R08)」は20201年7月6日(火)、その初の作戦任務で地中海を抜け、スエズ運河を通過していると発表しました。空母打撃軍を構成する艦艇のうち、23型フリゲート「リッチモンド(HMS Richmond:F239)」もスエズ運河を通過中で、その他の艦艇も続々と通過している模様です。これを前に、キプロスに停泊、補給したと見られます。
空母「クイーン・エリザベス(R08)」は5月22日(土)、エリザベス女王の見送りを受け、初の実戦配備のためポーツマスを出港しました。スエズ運河に入るまではフェーズ1と位置付けられ、地中海を航行。この間にフランス海軍の空母「シャルル・ド・ゴール(R91)」との共同訓練、イタリアでの大規模な戦闘機を使った演習、6月下旬にはダーイッシュ(イスラム国、ISIS、ISIL)掃討支援で初の実戦出撃などがありました。
イギリスは世界各地に空母を派遣することで、その軍事力を誇示するだけでなく、訓練・演習で見せた北大西洋条約機構(NATO)加盟国として各国との協力、さらに英国大使館と連携して各国で防衛・軍事面の協力に加え、サイバーセキュリティを含むビジネス面の支援も明確に打ち出しています。
スエズ運河を通過すると紅海を進み、オマーンへ向かいます。その後、インド洋での演習、シンガポール北部のセンバワン施設に寄り、南シナ海では「航行の自由作戦」に参加し、台湾海峡を避けて日本に向かいます。日本では自衛隊との演習も予定されています。