北九州エアターミナル、福岡県、北九州市は2021年7月9日(金)、北九州空港の国際貨物上屋の増設整備事業の着手を発表しました。既存の国際貨物上屋西側の隣接地に新たな貨物上屋をはじめ、トラックヤード、事務所棟、その他計量器や監視カメラなど設備を北九州エアターミナルが整備します。事業費はおよそ4億3,200万円で、竣工予定は2022年7月頃です。
すでにある国際線上屋の北側は、貨物機専用エプロンの90番スポットに近く、既存の国際線上屋と一体化した運用が可能です。これにより、貨物需要に応じた柔軟な利用が可能になります。新たに整備する上屋は、大型トラックが収まる庇長を確保し、雨水による貨物への水濡れ防止、蔵置スペースを拡大。また、貨物エリア近接地にトラック待機場を整備し、搬出入を効率化します。なお、上屋の竣工時期は前倒しに努める方針です。
整備する北九州エアターミナルをはじめ、福岡県と北九州市は北九州空港を「九州・西中国の物流拠点空港」を目標に、路線誘致や集貨促進などの取り組みを進めています。航空貨物需要は伸び続けており、これを捉えた定期便の増便、新規路線の誘致につなげるため、国際貨物上屋の増設で便数増につなげたい考えです。
北九州空港の貨物利用をめぐっては、北九州市が2020年1月にヴォルガ・ドニエプル航空と、航空貨物の利用促進で覚書を締結。特殊大型貨物輸送を手がける貨物航空会社のヴォルガ・ドニエプル航空は、過去にアントノフAn-124ルスランを運航したこともあり、この機材以外にもグループ会社で各機種を保有・運航しています。こうした航空会社による貨物拠点化や空港機能強化が期待されています。