アメリカ空軍第556試験評価飛行隊(556TES)は2021年7月8日(木)時点で、MQ-9リーパーの自動離着陸機能(ATLC)の無人利用を証明しました。ATLC機能により、事前に人員配置していない飛行場でも運用でき、MQ-9の機動性が向上します。他のソフトウェア・アップグレードなどと組み合わせ、無人機の使用方法はさらに幅が広がります。
これまでMQ-9の離着陸には、使用する飛行場に専門の隊員配置の必要がありました。MQ-9が滑走路をタキシングし、配置されている隊員が電子基準点をマークした上で、ATLCシステムを使用するものでした。こうした人員配置が必要なくなることを証明するため、2日間の試験が実施されました。
初日はMQ-9をクリーチ基地からニューメキシコ州のキャノン基地まで飛行させ、着陸、タキシング、離陸を繰り返してクリーチ基地に帰還させました。2日目はクリーチ基地からキャノン基地ではなく、目的地をホロマン空軍に変更し、この離着陸も成功させています。
この離着陸の実施にあたり、初日はコクピットからの画像を使用し、自動着陸システムの基準点を作成。2日目はターゲティングポッドを使って滑走路を調査し、ATLCシステムに飛行場の交通パターンを作成するために必要なデータを送信し、着陸・離陸を実施しました。
無人機操作は、ネリス空軍基地の隊員が衛星経由で55.6マイル離れたクリーチ空軍基地のMQ-9を操作し、滑走路までタキシング、離陸させています。556TESはATLCを使い、クリーチ空軍基地へ着陸させ、離陸とあわせて衛星制御で離着陸機能の有用性を確認しました。
今回のATLC運用は、人員を実際に事前配置する必要がなくなり、遠隔操縦の能力や運用に大きな変化がもたらされます。この機能は、2022年春に予定されているソフトウェアリリースに組み込まれる予定です。