JAL、第1四半期の赤字縮小 現金流出も解消の方向へ

JAL、第1四半期の赤字縮小 現金流出も解消の方向へ

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日本航空(JAL)をはじめとするJALグループは、2022年3月期第1四半期(2021年4月1日~6月30日)連結業績で売上収益は前年同期から前年比74.1%増の1,330億円になったと発表しました。EBIT(税引前利益)は826億円の赤字、純損失は579億円でした。純損失は赤字が続いていますが、2021年度同期比で357億円改善しています。JALは毎月のキャッシュバーンも好調な貨物、国内線旅客事業の収入で解消に向かう見込みを示しています。

主力の航空事業収入のうち、国際線は112億円、国内線は380億円、貨物は476億円です。いずれも前年同期比で増加していますが、2019年同期比で国際線は91.4%減、国内線は70%減です。貨物のみ109%増と倍以上に収入を得ています。

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JAL 2021年度第1四半期 業績詳細

営業費用は前年同期から96億円増の2,154億円ですが、このうち燃油費が71億円増、役員報酬の減額、社員の賞与減で人件費は40億円減です。前年から運航便数を増加したことに伴う各種費用の増加が要因と見られます。

4月~6月は首都圏、関西圏、沖縄に緊急事態宣言が発出されていましたが、月間約100~150億円程度のキャッシュバーンに留まりました。JALは6月末時点で、現預金3,570億円、未使用のコミットメントライン3,000億円、合計で6,500億円超の手元流動性を確保しているため、資金繰りで厳しい状況に置かれることはありません。

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7月〜9月の第2四半期の動向

7月〜9月の第2四半期の動向は、国際線で供給座席が2019年比で10%程度が続き、ロードファクターが20%〜30%を推移。国内線で供給座席が2019年比で40%〜60%未満を推移し、ロードファクターが40%〜60%を推移、大きな改善は見込めないものの、国内線の収入増が予想されます。さらに国際線は2019年比で単価が高く、物量が多いため、航空事業を支える収入を得ることが想定されています。

このため、7月以降の第2四半期は貨物収入に加え、国内線の航空券発券に伴う入金も増加し、月50億円程度に減少し、今後はキャッシュバーン解消の方向へ進んでいると明らかにしています。

なお、2022年3月期の連結業績予想は、コロナ禍の影響が長引き、国際線だけでなく国内線の旅客需要の回復を合理的に見積もることが困難とし、未定のままです。引き続き、各国の感染状況やワクチン接種状況、需要動向を注視し、一定程度見極めることが可能になった段階で発表します。

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