カタール航空は2021年8月5日(木)、エアバスA350型機13機の定期便投入を中止しました。機体表面の塗装が加速度的に劣化する重大な事態と説明しており、航空規制当局の指示に従い、運航ラインから外しました。カタール航空グループのアクバル・アル・ベイカーCEOは、エアバスに対して根本的な原因究明と、状態を修復する満足のいく解決策の提供を求めています。実現されるまで、対象のA350は事実上、運航を停止する方針です。
13機の運航停止に伴い、その代替手段として保有するエアバスA330型機の運航を再開しています。これ以外にも運航停止の影響を軽減する対応策を検討します。
運航ラインから外れた13機は、A350-900が11機、A350-1000が2機です。製造時期で見ると、2014年12月に納入された初号機を含め、2015年11月までの機体と、2016年、2017年製造が1機ずつ、2018年は4機です。A350-1000は2機とも2018年引渡し分です。カタール航空によると、運航停止の影響を受けた機材で、その点検にリース会社も協力していると公表しています。
カタール航空は、以前からA350の受領時に機体表面の塗装が胴体から剥離する事象を問題視していました。
■運航停止の対象となったA350 <A350-900型> A7-ALA:2014年12月受領、機齢6.8年 A7-ALB:2015年3月受領、機齢6.5年 A7-ALC:2015年5月受領、機齢6.4年 A7-ALD:2015年6月受領、機齢6.2年 A7-ALE:2015年10月受領、機齢6.1年 A7-ALF:2015年10月受領、機齢5.9年 A7-ALG:2015年11月受領、機齢5.8年 A7-ALL:2016年11月受領、機齢4.9年 A7-ALT:2017年11月受領、機齢3.8年 A7-ALV:2018年5月受領、機齢3.3年 A7-ALW:2018年6月受領、機齢3.2年 <A350-1000型> A7-ANB:2018年6月受領、機齢3.2年 A7-ANC:2018年9月受領、機齢3.0年 ※機齢は初飛行時からのカウント