今から52年前(1969年)の9月2日、全日本空輸(ANA)は全機種の機体塗装を「モヒカンルック」にすると発表しました。現在の塗装の「トリトンブルー」に移行する1989年ごろまで約20年間、モヒカン塗装が施されていました。
「モヒカンルック」の塗装は、それ以前の胴体横の赤いラインが無くなり、ブルーのカラーが水色へ変更されたことに加え、胴体上部がコクピットから垂直尾翼までカラーが施されたことが大きな違いです。機体を前方から見ると、コクピットの上にカラーが施されています。塗装の名称「モヒカンルック」は、前方から見た姿がヘアスタイルの「モヒカン刈り」に似ていることに由来します。
ANAの塗装は1982年から、現在のトリトンブルー塗装の導入がはじまり、1989年3月には全て「モヒカンルック」が退役しました。これ以降、胴体の社名表記が「全日空」から2003年に現在の「ANA」に変更されましたが、トリトンブルーに大きな変更はありません。
2009年12月1日(火)のANA創立記念日にあわせ、ボーイング767-300型の「JA602A」が復刻版の特別塗装機「ANA モヒカンジェット」として登場。デザインは、垂直尾翼にレオナルド・ダ・ヴィンチのヘリコプター図案をモチーフにした社章を掲載。社名表記も「ANA」ではなく、「全日空」と記されました。
この特別塗装機は当初、2013年までの運航予定でした。この期間は2014年8月中旬まで延長され、惜しまれながら退役しました。飛行機に詳しい方なら、この特別塗装機が飛んでいたことを覚えていることでしょう。
復刻版デザインの特別塗装機は現在、世界の航空会社でレトロ塗装として続々と導入され定着しています。日本の航空会社では、「ANA モヒカンジェット」の復刻は初めて導入された事例でしたが、再度の登場なるか今後も楽しみです。