フィリピン航空、チャプター11で経営再建 21機返却・日本路線は維持

フィリピン航空、チャプター11で経営再建 21機返却・日本路線は維持

ニュース画像 1枚目:(サポサさん撮影)
© FlyTeam サポサさん
(サポサさん撮影)

フィリピン航空は2021年9月4日(土)、アメリカ連邦破産法11条(チャプター11)の適用を申請しました。新型コロナウイルスのパンデミックで旅行需要の激減に見舞われていることを受け、債権者が多いアメリカで申請し、運航を継続しながら経営再建を図ります。保有機を25%ほど削減し、約20億ドル(約2200億円)の債務削減、日本路線など収益性の高い路線を再開・維持しながら、新たな資金援助として6億5500万ドルを確保し、数カ月でチャプター11からの脱却を目指します。

フィリピン航空はコロナ前、保有機は98機で、このうちワイドボディ機が31機、ナロウボディ機が48機、ターボプロップ機が19機でした。このうちリースは85機、所有は13機です。このうち、チャプター11の申請に伴い、21機の返却を決め、さらに追加する計画です。返却分による供給座席減は23%となる見通しです。

こうした保有機数を削減する中、ネットワークはフィリピン国内線でマニラ発着とセブ発着の2つのハブに集約し、マニラ・クラーク発着はニノイ・アキノ国際空港に統合します。収益性の高い国内線ネットワークを拡大し、市場の回復に合わせ国内線と国際線を徐々に増やす計画です。

日本路線は、マニラ発着の新千歳、成田、羽田、名古屋(セントレア)、関西、福岡線、セブ発着の成田、名古屋、関西線を維持する見込みです。この方針は、マニラ発着はリージョナル路線として中国本土の路線を成長市場と位置づけ、収益性を確保できる路線の運航を継続していきます。

なお、チャプター11の適用でもすでに販売済みの航空券、特典航空券などは有効で、マイレージプログラムで獲得済みのマブハイマイル、その特典提供も有効です。また、フィリピン航空の運航便で空輸するワクチンや医薬品の貨物輸送は継続し、サプライチェーンを維持する方針。フィリピン政府との協力により、国際線のフライトの運航を継続します。

※配信後、表記の誤りを修正しました(2021/9/6 17:27)

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