レオナルドは2021年9月14日(火)、ロンドンで開幕した防衛産業の見本市「DSEI 2021」にAW149軍用ヘリコプターを展示しています。イギリス国防省が選定を進める新たな中型ヘリコプター(NMH)プログラムへ「イギリス製AW149」として強くアピールしています。NMHプログラムは、イギリス空軍(RAF)がピューマHC2などを2025年から更新し、代替として新型機を導入する計画です。レオナルド以外に、エアバスH175M、ベル412EPX、シコルスキーS-70iブラックホークなどが提案される模様です。日本ではベル412EPXをベースとした陸上自衛隊向けUH-2の開発されましたが、イギリスではレオナルドが拠点やサプライチェーンを持つことで強みを発揮するか、動向が注目されます。
レオナルドは、AW149が選定された場合、ヨービル工場に最先端の生産ラインを設ける方針です。ヨービル工場は、レオナルドの以前のアグスタウエストランド、さらに遡りウエストランド時代から操業しており、イギリス各地に点在する70社以上の企業との取引関係も構築されています。この強みを活かし、AW149のサプライチェーンを作り上げ、イギリス製「AW149」として売り込んでいます。
開幕した「DSEI2021」では、サプライチェーンを担うイギリス企業の9社とともに出展。アビオニクスシステム、ハードからソフトウェアに至る軍用ヘリに必要な各種コンポーネントと合わせて展示しています。
レオナルドはさらに、イギリスのAW149の選定は、同盟国を含め、他国への輸出の契機になるとも位置付け。イギリスでの製造、さらにサプライチェーンを通じて、コロナ禍から経済回復への貢献にもつながると政治的なアピールも展開しています。
AW149は2006年のファンボロー・エアショーで開発が発表された機体で、AW139をベースにエンジンを強化、グラスコックピットと4軸オートパイロットとデジタルアビオニクスシステムを採用しています。用途は兵員輸送をはじめとする輸送業務、火力支援、捜索救助(SAR)や人命救助、偵察、監視からVIP輸送と様々な目的に使用できます。