英次世代戦闘機「テンペスト」、ボーイング757旅客機をテスト機に採用

英次世代戦闘機「テンペスト」、ボーイング757旅客機をテスト機に採用

ニュース画像 1枚目:ボーイング757 FTV「エクスカリバー」、機首部分の改修、コクピット下や胴体後部にフェアリングも確認できる
© LEONARDO
ボーイング757 FTV「エクスカリバー」、機首部分の改修、コクピット下や胴体後部にフェアリングも確認できる

ロンドンで開催されている防衛産業の見本市「DSEI 2021」で、イギリス空軍(RAF)向け次世代戦闘機「テンペスト」の展示に日本の国旗「日の丸」が掲げられ、話題になっています。その「テンペスト」に搭載する次世代電子機器の飛行試験や評価のため、ボーイング757旅客機を改修した機体愛称「エクスカリバー」を導入し、飛行試験プログラムに活用するとレオナルドが2021年9月15日(水)、発表しました。

レオナルドは、「エクスカリバー」の調達や改修などイギリスの2エクセル・アヴィエーションと契約を締結。テンペスト飛行試験航空機(FTA)プログラムとして、757旅客機をオーバーホールし、戦闘機に搭載する技術の飛行実験に使用します。この実験機はイギリスでもっとも有名な伝説、アーサー王が使用した剣「エクスカリバー」にちなんでいます。

ニュース画像 1枚目:テンペスト センサ・レーダーを駆使するイメージ
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テンペスト センサ・レーダーを駆使するイメージ

2Excelは今後、エクスカリバーの調達とイギリス南部のラシャムの整備施設で757-200を改造します。ボーイング757はマッハ0.8、時速850キロメートルで巡航し、ペイロードは28トンです。機首部分は内装、外装共に大幅に変更される予定で、機体の外部は空力や構造的な影響を分析する機器も装備される予定です。今後、1年をかけてテンペストに搭載する機器の設置、飛行試験スケジュールの詳細を検討します。

テンペスト・プログラムは、日本にとっても進捗が注目される事業。7月に開催された岸防衛相とウォレス英国防相による日英防衛相会談で日本が開発する次期戦闘機についてエンジンシステムに重点を置いたサブシステムレベルでの協力について一致。イギリスは、日本の参画を歓迎し、今回の「DSEI」での日の丸掲揚となっていますが、エンジン以外の通信機器など、他の分野でも協力が深まるのか、開発動向が注視されます。

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