アメリカ空軍は2021年9月23日(木)、大型爆撃機B-1Bランサーの再編成を完了したと発表しました。B-1Bランサーは2月から一部退役を始め、9月23日(木)には計画していた17機目がカリフォルニア州エドワーズ空軍基地からデビスモンサン空軍基地の保管場へ輸送されました。アメリカ空軍地球規模攻撃軍団(AFGSC)が運用する爆撃機の近代化、特にB-21レイダーの導入に向け、アメリカ空軍は予算配分を新型機に向け、旧型機の維持費用を抑制します。B-1の運用機数を減らすことで、整備士は残る機体により多くの時間を割くことができ、即応性を維持する体制を整えます。
退役開始前のB-1Bは62機でしたが、17機が退役、現役は45機となりました。退役した17機のうち、4機は展示・試験用となりました。ティンカー空軍基地に構造修復用の試験機として「86-0109」、エドワーズ空軍基地の地上試験機として「86-0099」、ウィチタの国立航空研究所でにデジタルマッピング用の機体として「86-0101」、バークスデール空軍基地で博物館の展示機として「85-0080」がそれぞれ割り当てられました。
残る13機のうち、4機は「タイプ2000」、9機は「タイプ4000」で保管します。「タイプ2000」は現役機向けに部品を供給できる状態で保管するため、隙間や穴を覆い、湿気や野生動物が侵入しないよう2段階のシーリング処理が施されます。「タイプ4000」は、エンジンとキャノピーなどを処理を施して最小限の体制で保管します。エンジンを取り外すことも可能で、この状態は現役機に戻る可能性が最も低い保管方法で、使用可能な部品が取り外しされると、解体されます。今後の作業は、第309航空宇宙整備・再整備群(309AMARG)が対応します。
B-1Bランサーの一部退役により、アメリカ空軍は開発中のB-21レイダーの導入を本格化します。退役したB-1Bランサーの一部機体は、作戦能力を保つ状態で維持するため、1機あたりおよそ1,000万~3,000万ドルのコストが必要でした。この費用は新型機に振り向け、長距離爆撃機の任務を維持します。