カタール航空は、2021年11月初旬にもエアバスA380型の定期便運航を再開します。Executive Travellerがカタール航空グループのアクバル・アル・ベイカーCEOとのインタビューで明らかになりました。まずは5機を定期便に戻し、2022年には保有する全10機の運航を再開する可能性もあります。
カタール航空はA380について2020年7月に、ボーイング787型とエアバスA350型を中心に長距離路線を運航する方針を示していました。A380は、A350と比較すると、特定路線で1回のフライトあたり二酸化排出量が80%以上多いことから環境面を配慮した判断でした。また、機材が大きく、搭載座席数も多く、ビジネス面で利用する妥当性がないとされました。このため、A380は5機を退役させ、適切なレベルに需要が戻るまでA380は運航しない方針でした。
その後、2021年8月にA350の13機を定期便の運航ラインから外さざるを得ない事態が発生。これは機体表面の塗装が加速度的に劣化する重大な事態と説明されています。運航から外したA350は5機追加され、18機が駐機中です。このため、コロナ禍から需要が回復する中で、A380を戻す決断に至った模様です。
カタール航空のA380は、ファーストクラス8席、ビジネスクラス48席、エコノミークラス461席、計517席です。A350は、A350-900がビジネスクラス36席、エコノミークラス247席の計283席、A350-1000がビジネスクラス46席、エコノミークラス281席の計327席です。A380はA350と比べ、190席から230席多い席数を搭載しており、10機全てを復帰させた場合でも燃費、環境、収益性など指摘されていた課題を考慮すると、A350が復帰した場合など引き続き今後の動向が注目されます。