エアバスは2021年10月4日(月)、ベルーガXL4号機の運航を開始しました。ベルーガXLは、ヨーロッパ各地の工場で航空機の部品製造、最終組み立てを手がけるエアバスの生産体制の一翼を担う大型貨物輸送機です。機体番号(レジ)は「F-GXLJ」で登録され、エアバス・トランスポート・インターナショナルが運航しています。エアバスA330型をベースに開発されたベルーガXLは6機製造される予定で、その半分の3機が運航開始。エアバスA300型をベースにしたベルーガSTから、ひとまわり大きな機体のベルーガXLへの機種更新プログラムは中間点に達しました。
ベルーガXLは、型式証明を取得するため、試験飛行に使用された1号機を含め、これまでに4機製造されています。1号機はエアバスの部品輸送の用途には投入されておらず、運航中の機体は3機です。さらにトゥールーズでは、5機目の最終組み立てが始まっています。計画では、2023年末までに6機が運航を開始します。
ベルーガXLの導入で、これまで使用されてきた5機のベルーガSTは退役します。ベルーガSTのうち、2020年10月6日(火)に2号機の「F-GSTB」、2021年4月29日(木)に1号機の「F-GSTA」がそれぞれボルドーにフェリーされ、保管されています。現在、運航中のベルーガSTは3機です。
なお、ベルーガXLは2014年11月に開発が発表され、2019年11月に欧州航空安全庁(EASA)から型式証明を取得。A330-200F貨物専用機をベースに胴体上部がバブル状に膨らんだ機体がベルーガXLの特徴です。エンジンはロールス・ロイスのトレント700を搭載し、低い位置に設けられたコクピットや貨物室構造部、胴体後部は新たに開発されました。